株価指数先物【引け後】 関税リスクを警戒した持ち高解消で3万1000円割れ

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪6月限
日経225先物 30960 -2800 (-8.29%)
TOPIX先物 2267.0 -208.5 (-8.42%)

 日経225先物(6月限)は前日比2800円安の3万0960円で取引を終了。サーキット・ブレーカーが発動するなか、寄り付きは3万1010円とシカゴ日経平均先物清算値(3万2245円)を大きく下回りギャップダウンで始まった。その後も下へのバイアスが強まり、現物の寄り付き後ほどなくして3万0650円をつけ3万1000円を割り込んだ。売り一巡後は前場終盤にかけて下落幅を縮め、その後は3万1300円から3万1850円辺りのレンジで推移。後場終盤にこのレンジを下抜け、3万1000円を割り込んで終えた。

 日経225先物は寄り前の気配値時点で3万1000円割れが意識されており、波乱のスタートとなった。昨年8月以来のサーキット・ブレーカーの発動により、目先的なボトム形成も意識されて、現物の開始直後につけた3万0650円を安値に押し目を拾う動きもみられた。ただし、グローベックスのNYダウ先物が1600ドル、ナスダック100先物は900ポイントほど下落して推移している。週明けの米国市場の下げが警戒されやすく、終了間際には短期筋のロング解消が入った形であろう。

 ボリンジャーバンドの-3σ(3万2080円)を大きく割り込んで終えたが、ナイトセッションでは同バンドは3万0950円水準まで下がってきた。下向きで推移する-3σに沿った調整を継続しており、底入れが見極めにくいところである。昨年8月の安値水準まで下げてきたことで、ダブルボトムの形成が意識されやすいところではあるが、ショートを仕掛けているというよりは、リスク回避からポジションを解消している需給であり、ショートカバーを狙ったトレードは期待しにくい。

 また、週足の-3σは3万0330円、-2σが3万2610円辺りで推移している。-3σから上抜ける動きをみせてきたとしても-2σ辺りで達成感が高まるなど、目先底をつけてくる可能性はあるものの地合いが急改善することは期待しづらい。現物市場でも信用取引で買い方が追加保証金の差し入れを迫られており、換金売りに伴う売りが強まりやすい。指数インパクトの大きいアドバンテスト<6857>[東証P]は、3月末の時点で買い残高が大きく積み上がっていた。先週の下落局面で買い方の整理が進展せず、さらに買い残が積み上がっているようだと、需給整理には時間を要しそうだ。

 日経225先物は朝方のように下へのバイアスが強まる局面では、押し目狙いのロング対応に向かわせそうである。一方で、トレンドが一気に改善する展開はあまり期待せず、積極的な上値追いは慎重にさせよう。

 NT倍率は先物中心限月で13.65倍に上昇した。東証プライムの値下がり数が1600を超える全面安商状のなか、朝方に一時13.91倍まで上昇し、75日移動平均線(14.04倍)に迫る場面もみられた。その後下げに転じる場面もあったが、25日線(13.59倍)が支持線として意識される形だった。今後、相場全体の底入れが意識されてくるようだと、インデックスに絡んだ商いが集中するため、NTロングによるスプレッド狙いに向かわせよう。

 手口面(6月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が6万0825枚、ソシエテジェネラル証券が4万4072枚、バークレイズ証券が1万0884枚、野村証券が6887枚、ゴールドマン証券が5827枚、日産証券が5302枚、モルガンMUFG証券が4964枚、JPモルガン証券が4863枚、SBI証券が4161枚、シティグループ証券が3047枚だった。

 TOPIX先物は、ソシエテジェネラル証券が8万1583枚、ABNクリアリン証券が6万2091枚、バークレイズ証券が1万7881枚、モルガンMUFG証券が1万3007枚、ゴールドマン証券が1万0363枚、JPモルガン証券が1万0149枚、ビーオブエー証券が7491枚、みずほ証券が5615枚、BNPパリバ証券が4792枚、野村証券が4442枚だった。




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