ドル円、148円台まで一時上昇 本日はドル高が支援 米利下げ期待が変動=NY為替概況 きょうドル円は買い戻しが優勢となり、148円台まで一時上昇する場面が見られた。NY時間に入って買い戻しが膨らんだが、本日はドル高が支援している。米国債利回りも上昇していたほか、米株式市場は依然として波乱の展開となっているものの、下値での買い戻しも見られていた。 本日はクーグラーFRB理事の発言が伝わっていたが、「インフレが上昇しないようにすることが優先されるべき」と述べていた。先週はパウエル議長が追加利下げへの慎重姿勢を堅持していたが、同理事も同様の意向を垣間見せていた。 短期金融市場では年内利下げ期待が変動しており、一時は5回の利下げ期待を織り込む動きも見られていたが、NY時間に入ると3回は完全に織り込んでいるものの、4回については75%ほどの確率で推移。一部からは、スタグフレーションからリセッション(景気後退)へと投資家の意識は変化しているとの声も出ていたが、FRBがインフレへの警戒感を緩めていない中で、利下げについては未知数の部分が大きい。 一方、日銀の利上げ期待は後退し、市場では年内据え置きの見方が優勢となっている。米国の関税措置を受け、政府・与党が補正予算案の編成を検討しているとの報道も流れていた。 きょうのユーロドルは上に往って来いの展開。ロンドン時間には1.10ドル台を回復していたものの、NY時間にかけて戻り売りに押され、一時1.09ドル割れを試す動きも見られた。ただ、本日1.0865ドル付近に来ている21日線の上での推移は堅持しており、上値期待は残している。関税はユーロ圏よりも米国に打撃を与える可能性があり、それがユーロ高につながるとの指摘がアナリストから出ている。 ユーロは対ドルで過小評価されており、さらに回復するはずだと述べている。関税は短期的にユーロ圏経済に悪影響を及ぼす可能性はあるものの、ECBのこれまでの利下げ、ドイツの財政刺激策、EUの防衛支出の増加により、今後数年の成長が押し上げられると指摘。一方、米経済が新たな関税により最も大きな打撃を受けると予想しており、今後はECBよりもFRBの利下げのほうがより多く実施されると見ているという。ユーロドルの予測を9月は1.12ドル、26年3月は1.14ドルに上方修正している。 ポンドへの売りが加速し、ポンドドルは一時1.27ドル割れをうかがう展開が見られた。ユーロに対してもポンドは3日続落。きょうの下げでポンドドルは一気に200日線を割り込んでおり、明日以降の動きが警戒される。 トランプ政権が最低水準の10%ではあるが、英国にも相互関税を課すと発表。そのことで英経済の成長に打撃を与えるリスクが高まっている。英国は最も安全圏と見られていただけにショックも大きいようだ。市場では英中銀の利下げ期待が高まっており、年末までにさらに3回以上の利下げを実施する可能性を高めている。月初めの2回から増加。 また、ユーロへの逃避需要がポンドに打撃を与えているとの指摘も出ている。投資家が引き続きリスクの高い資産から資金を引き揚げる場合、ポンドの下落余地はさらに広がるという。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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