●週間見通し原油、根強い需要不安で上値重い=マーケットエッジ

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 前週は60ドルを挟んで上値の重い展開になった。トランプ米大統領の発表した相互
関税に対する警戒感が維持された。相互関税の一部停止を受けて買いが膨らむ場面も見
られたが、米中間で報復関税の応酬が続いていることもあり、原油相場は上値の重さを
維持した。石油輸出国機構(OPEC)プラスが減産縮小計画を維持していることもネ
ガティブ。60ドル割れで押し目買いも入っているが、本格的な安値修正は見送られ、
上値の重さを維持している。
 今週も上値の重い展開が続こう。通商環境のリスク評価に強く左右されるため、特に
米中通商環境の悪化が続いている間は、原油相場の上値の重さは維持されよう。パニッ
ク的な急落地合には一服感も見られるが、米中間で通商協議が開始されるといった大き
な動きがみられなければ、戻りは売られる見通し。特に14日の石油輸出国機構(OP
EC)月報、15日の国際エネルギー機関(IEA)月報で需要見通しの引き下げがみ
られると、地合が一段と悪化しやすい。一方、イラン情勢は引き続き緊迫化している。
トランプ大統領は軍事制裁の可能性にも言及しているため、地政学リスク織り込みの可
能性には注意が必要。
 予想レンジは55.00〜65.00ドル。
(マーケットエッジ・小菅 努)



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