株価指数先物【寄り前】 +1σ突破でショートカバーが強まる

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 36260 +230 (+0.63%)
TOPIX先物 2674.0 +9.5 (+0.35%)
シカゴ日経平均先物 36165 +135
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 30日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が上昇した一方で、ナスダックは下落。2025年1~3月期の米実質国内総生産(GDP)速報値が3年ぶりにマイナス成長となったほか、4月のADP雇用統計で非農業部門の雇用者数が市場予想を下回ったことから売りが先行した。だが、GDPの結果を受けて米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が高まったほか、月末のドレッシング買いが入り、NYダウは終盤にかけて切り返した。FRBがインフレ指標として重視する3月の米個人消費支出(PCE)物価指数は予想と一致し、2月から減速している。1-3月期の業績予想を下方修正したスーパー・マイクロ・コンピューターが急落し、ハイテク株の一角に売りが波及した。

 S&P500業種別指数は、電気通信サービス、商業サービス・用品、医薬品・バイオテクノロジーが上昇。自動車・同部品、エネルギー、耐久消費財・アパレルの弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、ベライゾン・コミュニケーションズ、マクドナルド、シャーウィン・ウィリアムズ、ウォルマートが買われた。半面、シェブロン、ナイキ、アマゾン・ドット・コム、ハネウェル・インターナショナルが下落。

 シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比135円高の3万6165円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中比90円高の3万6120円で始まり、3万6050円~3万6160円辺りで保ち合いを継続。米国市場の開始直後に急落し、3万5630円まで売られる場面もみられた。その後は急速に切り返す形から中盤にかけてプラス圏を回復。終盤に上へのバイアスが強まり3万6310円まで上げ幅を広げ、3万6260円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。ナイトセッションで3万5630円まで売られる場面もみられたが、その後の強い切り返しによりボリンジャーバンドの+1σ(3万6160円)を上抜いてきた。同バンドを捉えたことで、13週移動平均線(3万6520円)や75日線(3万7030円)が意識されてくる。買い一巡後は+1σ水準で強弱感が対立する可能性はあるが、3万6000円を支持線とした押し目狙いのロング対応に向かわせよう。そのため、オプション権利行使価格の3万6000円から3万6500円のレンジを想定。

 米国では弱い経済指標の結果を受けて、FRBが早期に利下げを決めるとの観測が相場を支える形になった。日米の関税交渉の進展期待も高まりやすく、ショートを仕掛けづらくさせるとともに、ポジションをニュートラルに近づけてくることでショートカバーが入りやすいと考えられる。

 ただし、決算発表が本格化するなか、商船三井 <9104> [東証P]が今期6割減益を見込むなど、トランプ関税による影響が表れてきた。三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]など上方修正を評価する流れとなればセンチメントを冷ますことはなさそうだが、決算に対する警戒感が高まってくるようだと、押し目狙いのロングも慎重にさせそうだ。

 30日の米VIX指数は24.70(29日は24.17)に上昇した。一時28.17まで切り上がる場面もあったが、上ヒゲを残す形状になっている。目先的には75日線(22.35)と25日線(30.08)での推移が意識されよう。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.52倍に低下。銀行や医薬品株の上昇が目立ち、相対的にTOPIX型の優位な状況だった。ただし、一時13.46倍に低下した後は13.53倍と25日線(13.54倍)に接近する場面もみられた。本日は銀行株のほか関税交渉に対する期待から自動車株を買い戻す動きがみられるようだと、ややNTショートに振れやすくなりそうだ。

株探ニュース

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