円安水準で推移、日銀の年内利上げ観測後退 ドル円144円台=ロンドン為替概況 ロンドン市場は、円安水準での取引が続いている。この日の日銀決定会合で政策金利は予想通り据え置かれた。展望レポートで成長およびインフレ見通しが下方修正され、物価2%目標達成時期についても1年程度後ずれした。さらにロンドン朝方にかけての植田日銀総裁会見では、米関税をめぐる不確実性が極めて高いとしており、当面の利上げ可能性が後退している。市場では年内利上げ観測が3割を下回った。東京市場から円売りを受けて、ロンドン朝方にもドル円は高値を144.74近辺まで伸ばした。ただ、その後は米債利回り低下とともにドル売り圧力がかり、144円台前半に落ち着いた。東京朝方からは1円超の円安水準を維持している。クロス円はロンドン時間に入ってからも高値を伸ばしており、ユーロ円は163.50台、ポンド円は192.50付近に上昇。ドル相場は東京時間の買いが一服しており、ユーロドルは1.13台割れから1.13台前半へ、ポンドドルは1.32台後半から1.33台前半へと反発している。欧州勢がメーデーのため休場となるなかで、やや動意薄となるなかで、円売りの根強さが目立つ展開になっている。 ドル円は144円台前半での取引。東京午前に142.88近辺の安値をつけたあとは、日銀関連の動きで円売りが強まっている。東京昼過ぎからロンドン朝方にかけては143円付近から144.74近辺まで高値を伸ばした。その後のロンドン時間には上昇一服も144円台を維持している。日銀は成長およびインフレ見通しを下方修正、物価2%目標達成時期を1年程度後ずれさせた。植田日銀総裁からは米関税をめぐる不確実性が極めて高いとして利上げを見送る姿勢が示された。 ユーロドルは1.13台前半での取引。東京市場では売りが優勢で、1.1330付近から1.1288近辺まで下落。しかし、ロンドン時間に入ると米債利回りの低下とともに買戻しが入っている。足元では高値を1.1340付近に更新した。ユーロ円はドル円とともに上伸。161.81近辺を安値に、足元では163.60付近に高値を伸ばしてきている。対ポンドでは前日終値を挟んだ揉み合いが続いている。欧州勢がメーデーの祝日のため参加者は少なく、動意薄の時間帯になっている。 ポンドドルは1.33台前半での取引。東京市場で1.3330付近から1.33台割れへと沈み、ロンドン朝方には安値を1.3275近辺に広げた。しかし、その後は買戻しが強まっており、足元では高値を1.3340台へと伸ばしてきている。ポンド円はドル円とともに上伸。東京午前の190.34近辺を安値に買われ、192.50付近まで高値を伸ばしてきている。ユーロポンドは0.8491から0.8511までの狭いレンジで揉み合っており、動意薄となっている。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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