円高とユーロ安の動き、きょうは独新首相誕生ならず ドル円一時142円台=ロンドン為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
円高とユーロ安の動き、きょうは独新首相誕生ならず ドル円一時142円台=ロンドン為替概況

 ロンドン市場は、円買いとユーロ売りが優勢。ドル円はロンドン勢の参加とともに143円台後半での揉み合いを下放れた。143.50付近を割り込むと売りが加速し、143円台も割り込んだ。安値を142.91レベルまで広げている。米株先物が連日軟調に推移しており、リスク動向が警戒されている。明日の米FOMC発表を控えた調整の面もあるようだ。また、ユーロ売りの面も指摘される。ドイツ議会首相指名投票の1回目でメルツ氏が過半数を獲得できなかったことが嫌気され、独DAX指数が下げ幅を拡大、ユーロ売り圧力が広がった。特に対円では162円台後半から一時162円割れ水準まで下落、本日の安値を更新した。対ドルではドル売りが優勢も、1.1350レベルはつけられずに1.13台前半で揉み合っている。ユーロポンドはアジア時間からの上昇を消して、安値を0.84台後半へと広げている。また、スイスフランは中銀総裁がマイナス金利の可能性を排除せずと述べたことが売りを誘い、主要通貨のなかで最も弱いパフォーマンスを示している。円相場とは対照的な値動きになっている。このあとは米国およびカナダ貿易収支が発表される。関税問題が市場テーマとなるなかで注目されよう。

 ドル円は142円台後半での取引。東京勢不在のアジア午前には144.28近辺まで買われる場面があった。しかし、買いは続かず143.70前後と前日NY終値水準に押し戻された。ロンドン勢の参加とともにさらに売り圧力が強まり、143円台割れから安値を142.91近辺に更新した。その後の買い戻しは143円台前半までにとどまっており、再び上値が重くなっている。足元では安値を142.70台へと広げてきている。

 ユーロドルは1.13台前半での取引。アジア午前に1.1280近辺まで下落したあとは、買いが優勢になっている。ロンドン序盤には1.1349近辺まで高値を伸ばした。しかし、ドイツ下院での首相指名投票でメルツ氏が過半数を獲得できない異例の事態となり、ユーロ売りに上値が重くなった。ユーロ円はロンドン朝方に162.95近辺まで買われていたが、ロンドン時間に入るとドル円とともに下落。足元では安値を161.80付近へと広げてきている。対ポンドでもユーロは軟調に推移している。

 ポンドドルは1.33台後半での取引。ユーロとは対照的に堅調な足取りを示している。アジア午前の1.3260近辺を安値に買われており、足元では高値を1.3370近辺に伸ばしている。ポンド円は下に往って来い。アジア午前の191.35近辺を高値に売られ、ロンドン序盤には190.46近辺まで安値を広げた。しかし、その後は買戻しが優勢となっており191円台を回復する場面があった。主に、対ユーロでのポンド買いが下支えとなっている。木曜日の英MPCでは25bp利下げ観測が広がっている。
 
minkabu PRESS編集部 松木秀明

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