きょうの為替市場でドル円は買い戻しが優勢となっており、143円台を回復。ベッセント財務長官が、今週末に米中当局者がスイスで貿易協議を行うと述べたことで、米中の緊張が緩和されるのではとの期待から、市場のムードが改善している。ドル円も買い戻しを誘発しているようだ。 今回の米中会談はトランプ関税が発表されて以来、両国間で初めて確認された協議だが、実際にどの程度の進展があるのかは未知数の部分も多い。ただ、一歩前進ということで、市場も歓迎している模様。 一方、中国人民銀が金融緩和を発表したことも後押ししている。人民銀行は政策金利を1.5%から1.4%に引き下げ、預金準備率を0.5%ポイント引き下げた。実際の影響は限定的だが、市場支援と流動性供給の面で一定の効果があるとの期待も出ている。 本日は午後にFOMCの結果が発表される。ここ数日の堅調な米経済指標の発表で、市場のFRBの利下げ期待は後退しており、少なくとも6月利下げの期待は7月に後退している状況。トランプ大統領からの利下げ要請にもかかわらず、パウエル議長は利下げへの慎重姿勢を堅持すると見られているが、市場がどう反応するか警戒している向きも少なくないようだ。いずれにしろ、関税措置の具体的な全貌と、想定される影響を確認できなければ、FRBは次の一手に向けた動きを取りづらい。 なお、日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は、現行付近には観測されていない。 7日(水) 現行付近にはなし 8日(木) 140.00(41.2億ドル) 143.00(16.0億ドル) 9日(金) 145.00(18.3億ドル) USD/JPY 143.31 EUR/JPY 162.88 GBP/JPY 191.56 AUD/JPY 92.68 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。