【前週までのレビュー】トランプ米大統領から、目先、株価上昇を後押しする発言が続 くとみられ、短期の戻り場面が訪れると予想した。 【戻り場面で期中10月限は7連騰】 JPXゴムRSS3号は、戻り場面となっている。4月第4週、ベッセント米財務長 官やトランプ大統領から株式市場に宥和的な発言が相次いだことで、マーケットは落ち 着きを取り戻した。JPXゴムRSS3号も堅調に推移し、活発限月の10月限は、9 日までで7連騰となっている。 10日から米中貿易協議が開催される。同協議に進展が見られれば、買い意欲は一段 と強まるだろう。米トランプ政権は、英国との貿易協議が合意するなど、通商問題の落 としどころを見つけ始めている。天然ゴム相場にとっては支援材料なる。JPXゴムR SS3号も戻り歩調が継続するだろう。 ただ、米株式市場が好調な時、トランプ米大統領は徐々に発言が大きくなる傾向があ る。ここにきて再びパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長への批判を強めてい る。この言動が、金融不安に繋がる可能性がある。中長期的には、トランプ米政権の政 策に起因する政治・金融の不安は続きそうだ。 【中国は追加経済対策待ち】 4月30日に中国国家統計局から発表された4月の製造業購買担当者景気指数(PM I)は49.0となり、景況感の分かれ目とされる50.0を3カ月ぶりに下回った。 トランプ関税の影響が出た。 4月25日から行われた中国共産党中央政治局会議では、輸出企業支援や雇用下支え の施策が示されたが、内需喚起に向けた具体的な財政拡大方針は盛り込まれなかった。 市場では、トランプ関税が続く場合、大規模な財政出動がなければ、今年のGDP成長 率は目標の5%を大きく下回り、3%台に落ち込むとの見方が出ている。米中貿易協議 に一定の進展があったとしても、元の交易条件に戻るわけではない。市場は、追加経済 対策待ちとなっており、対策が示されれば、ゴム相場にとって買い材料になる。 【上海ゴムは安値圏でのもみあい継続】 上海ゴムの中心限月の9月限は、安値圏でのもみ合いが続いている。3月31日に終 値ベースで1万7000元を下抜くと、4月3日には1万6280元まで下落し、一代 の安値を更新した。さらに米中貿易摩擦が激化したことから、9日には1万4035元 まで下落した。その後5月7日に1万5060元まで上昇したが、同水準では、売りを 浴びた。現状、1万4500〜1万5000元前後でのレンジ取引となっている。米中 貿易協議で具体的な進捗があれば、レンジから上放れ、節目の1万6000元を目指す 展開になるとみる。 【東京ゴム活発限月の10月限のテクニカル要因】 ゴムRSS3号の活発限月の10月限は、買いが先行している。4月からの値動きを みると、4月2日(日本時間3日午前5時)に発表された米トランプ政権の相互関税を 嫌気して3日から急落、9日には290.0円まで下落した。14日に303.8円ま で戻したが、買いは続かずに23日285.0円の一代の安値を付けた。その後は、 285〜295円前後で強もちあいとなっていたが、4月27日から6連騰となり、5 月9日には305円目前まで上昇した。 買いが優勢となれば、310円の攻防になる。310円台にせると、特に目立った抵 抗線が見当たらないことから、節目の315円や320円を意識した展開になるとみ る。一方、下落となれば、一目均衡表の転換線がある295円付近が支持になる。同線 を下抜くと、節目の290円や4月23日に付けた一代の安値285.0円が視野に入 る。 【今週の注目ポイント】 引き続き、トランプ大統領の動向に注目したい。5月10日から米中貿易協議が開始 される。同協議に進展が見られれば、JPXゴムRSS3号にとっては支援材料にな る。 【相場予想レンジ】 5月12〜16日のJPXゴムRSS3号10月限の中心レンジ予想は280〜 320円。テクニカルの支持線は290.0円(節目)、抵抗線は310.0円(節 目)。 MINKABU PRESS ※投資や売買は御自身の判断でお願いします。
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