株価指数先物【寄り前】 200日線接近で過熱を冷ます調整としては一巡感

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 37640 -500 (-1.31%)
TOPIX先物 2727.5 -34.0 (-1.23%)
シカゴ日経平均先物 37720 -420
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 14日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。米長期金利が約1カ月ぶりの高水準をつける場面があり、持ち高調整の売りが優勢だった。投資判断の引き下げが伝わったメルクの下げが目立ったほか、アムジェン、スリーエム、ジョンソン・エンド・ジョンソン、シャーウィン・ウィリアムズ、ユナイテッドヘルス・グループなどが売られ、相場の重荷になった。半面、サウジアラビアの政府系ファンドの傘下企業にAI(人工知能)向け画像処理半導体(GPU)を提供すると13日に発表したエヌビディアは、この日も上昇するなどハイテク株の一角への買いが相場を支えた。

 S&P500業種別指数は、自動車・同部品、半導体・同製造装置、メディアが上昇。医薬品・バイオテクノロジー、耐久消費財・アパレル、保険の下げが目立った。NYダウ構成銘柄ではエヌビディアのほか、ウォルトディズニー、ゴールドマン・サックス・グループ、JPモルガン・チェース、マクロソフトが買われた。なお、取引終了後に決算を発表したシスコシステムズは、予想を上回る見通しが好感され、時間外取引で上昇している。

 シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比420円安の3万7720円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比30円高の3万8170円で始まった。直後につけた3万8200円を高値にショートが優勢となり、米国市場の取引開始時には節目の3万8000円を割り込んだ。その後も下げ幅を広げ、3万7600円まで売られる場面もみられた。終盤にかけては3万7640円~3万7740円辺りで保ち合い、3万7640円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まりそうだ。ただし、200日移動平均線(3万7560円)水準まで下げてきたことで、過熱を冷ます調整としては一巡感が出てきそうだ。上向きで推移するボリンジャーバンドの+1σ(3万7170円)と+2σ(3万8840円)によるレンジ内で推移しており、押し目待ち狙いのロングが入りやすいだろう。

 決算発表は本日で一巡する。明日以降は積極的な売買を手控えていた国内機関投資家も動きやすくなるため、足もとの調整局面ではロングに向かわせそうだ。そのため、200日線を挟んだオプション権利行使価格の3万7250円から3万8250円のレンジを想定する。

 14日の米VIX指数は18.62(13日は18.22)に上昇した。ただし、判断の分かれ目となる20.00のほか、200日線(19.69)を下回っての推移を継続している。3月26日につけた16.97が射程に入るなかで、リスク選好に傾きそうだ。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.81倍に上昇。75日線(13.80倍)を突破し、一時13.86倍まで切り上がってきた。上向きで推移する+2σ(13.79倍)と+3σ(13.87倍)に沿ったトレンドが意識されている。75日線突破でいったんはNTロングを巻き戻す動きもあろうが、米国市場ではエヌビディアなどハイテク株が買われており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の底堅い値動きが日経平均型を支えよう。膠着感が強まる局面では、ヘッジを考慮したNTロングでのスプレッド狙いが入りやすいとみられる。

株探ニュース

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