株価指数先物【寄り前】 米格下げ警戒も押し目待ち狙いのロング対応

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 37800 +30 (+0.07%)
TOPIX先物 2747.0 +3.5 (+0.12%) 
シカゴ日経平均先物 37995 +225
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 16日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。足もとで下落基調が続いていたユナイテッドヘルス・グループが9日ぶりに買われ、NYダウを押し上げる形になった。米国と欧州連合(EU)が関税交渉で膠着状態から脱却したとの一部報道が材料視された。ただし、5月の米ミシガン大学消費者信頼感指数は50.8と市場予想(53.4程度)を下回り、2022年6月以来の低水準だった。1年先の予想インフレ率は7.3%と4月(6.5%)から上昇するなど、トランプ政権の関税政策やインフレ圧力の高まりが警戒され、上値の重さも意識された。

 S&P500業種別指数は、ヘルスケア機器・サービス、自動車・同部品、医薬品・バイオテクノロジー、食品・生活必需品小売、公益事業が上昇。一方で、エネルギー、半導体・同製造装置の2セクターが小幅に下落した。NYダウ構成銘柄では、ユナイテッドヘルス・グループのほか、スリーエム、ウォルマート、メルク、マクドナルド、ベライゾン・コミュニケーションズが買われた。半面、シスコシステムズ、ボーイング、シェブロン、アップルが弱い。

 シカゴ日経平均先物(清算値)は大阪比225円高の3万7995円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比60円高の3万7830円で始まった。3万7940円まで買われた後は軟化し、米国市場の取引開始直後には3万7740円まで売られる場面もあった。その後はロング優勢の流れとなり、終盤にかけて3万8000円まで上昇。引け間際に弱含み、3万7800円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まりそうだ。米格付け会社ムーディーズ・レーティングスは16日、米国の信用格付けを最上位の「Aaa」から「Aa1」に1段階引き下げたと発表。また、トランプ米大統領は、今後2~3週間のうちに貿易相手国に対し新たな関税率を一方的に通知する考えを示したと報じられている。日本は協議を進めることで合意しているため問題はないものの、積極的な売買を手控えさせる一因となろう。

 ただし、週後半には、赤沢亮正経済再生担当大臣が米関税措置を巡り、ワシントンで3回目の閣僚協議を行う予定である。前週に米国と英国が貿易協定の締結で合意したことで、協議進展への期待が高まっているため、押し目待ち狙いのロングは入りやすい。先週で決算発表が一巡したことにより、売買を手控えていた国内の機関投資家も動きやすくなったとみられる。

 日経225先物は200日移動平均線(3万7440円)が支持線として意識されている。ボリンジャーバンドは上向きで推移しているが、5月に入ってからは+1σと+2σによるレンジに沿った形でリバウンドを継続。13日に+2σを突破した後の調整で+1σ(3万7430円)水準まで下げてきたが、+1σと200日線が支持線となるため、押し目待ち狙いのロングを誘う可能性があるだろう。

 そのため、オプション権利行使価格の3万7500円から3万8000円でのレンジを想定。200日線までの調整を経てリバウンド機運が高まる局面では、3万7750円から3万8250円辺りのレンジに移行するとみておきたい。

 16日の米VIX指数は17.24(15日は17.83)に低下した。200日線が抵抗線として機能する形での推移を継続し、判断の分かれ目となる20.00を割り込んでの推移が続いている。3月26日の直近安値である16.97が射程に入るなかで、リスク選好の状況が続きそうだ。

 先週末のNT倍率は先物中心限月で13.76倍(15日は13.79倍)に低下。短期的な過熱感から指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が利食いに押され、14日の13.86倍を戻り高値に低下傾向となった。+2σ(13.82倍)を挟んだ+1σ(13.72倍)と+3σ(13.91倍)とのレンジのなかで、週末に一時13.72倍と+1σ水準まで下げてきたことで、リバランスを想定したNTロングでのスプレッド狙いが入りやすいところだろう。

株探ニュース

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