終盤にかけてドル売り ドル円も上値重い展開=NY為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
終盤にかけてドル売り ドル円も上値重い展開=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、終盤にかけてドル売りが優勢となる中、ドル円も上値の重い展開が続き、144円台半ばでの推移。東京時間の早朝には一時145.50円付近まで上昇する場面が見られたものの、145円台に入ると戻り待ちの売りオーダーも観測されているようだ。

 現地時間の20日からカナダでG7財務相・中央銀行総裁会議が開催され、その際に加藤財務相とベッセント米財務長官とで日米協議の開催で調整とのニュースも流れている。トランプ政権は「ドル高は国益」の従来のスタンスを表向きは変えていないが、水面下では相手国に対して自国通貨高の是正を求めているとの憶測も出ている状況。

 ただ、先週の米格下げやドル離れに市場の注目があたっている中、米国側は表向き「ドル高は国益」のスタンスは変えられない。一方、日本側としては物価対策の面からある程度の円高であれば許容可能といったところであろう。

 そのような中でオプション市場では、ファンド勢や機関投資家中心に、ドル円の下落を想定した取引が増えており、ドル円の上値は重いようだ。

 ユーロドルは1.12ドル台で上下動した後、終盤に1.12ドル台後半に上昇。本日の21日線が1.1285ドル付近に来ているが、その水準に顔合わせしている。21日線の水準を完全に回復できるようであれば、2月以降の上昇トレンドに戻れそうな気配も強まる。

 ECBの利下げについて市場も様々見方が出ているが、年内はあと2回との見方が多い。その場合、政策金利は1.75%まで低下することになるが、ECBは中立金利を1.75-2.25%の間にあると試算しており、その下限まで引き下げることになる。

 いまのところ市場では次回6月の利下は確実視しており、本日はECB理事のウンシュ・ベルギー中銀総裁の発言が伝わっていたが、市場の見方は理に適うと述べていた。

 ポンドドルは堅調に推移し、終盤に1.33ドル台後半に上昇。いまのところポンドには追い風が吹いているが、この水準は長期的に維持できそうにないとの見方が出ている。対ドルでのポンドの堅調さは、主にドルの弱さに起因している。ドルにはまだ完全に表面化していない複数の要因があり、弱含みの展開が続いている。

 ドルに弱さが見られる限り、ポンドは堅調さを維持するだろう。特に円やユーロなどの主要通貨がドルの弱さを吸収し、市場が節目と考える水準を突破できていないことから、ポンドにその役割を果たす余地が生まれているという。

 ドルに対するポンド上昇は4カ月連続となる勢いだが、英景気見通しから、それは正当化できない。英国は生産性の問題や労働市場の構造的な不足、そして先進国の中でなお高水準にあるインフレに直面していると指摘している。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。