石油週間展望=目先は60ドル台維持が焦点、OPECプラス会合に注目

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
           [6月2日からの1週間の展望]
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         週間高低(カッコ内は日付)     5 月 26 日〜 5 月 30 日
                始  値    高  値        安  値       帳入値    前週末比
ガソリン  先限   84,000    84,000(26)    84,000(26)   84,000        ±0
灯  油  先限   81,000    81,000(26)    81,000(26)   81,000        ±0
原  油 10月限  54,680    57,160(29)    53,900(26)   54,310       -600
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                                         5 月 26 日〜 5 月 30 日
<海外原油> 週間4本値 始 値  高  値     安 値     終 値   前週末比
  NY原油  7 月限     61.70    63.07(29)   59.74(30)  60.79      -0.74
ブレント原油  8 月限     64.42    65.50(29)   62.09(30)  62.78      -1.43
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30日 東京時間の午後3時15分現在 ドル・円 143.80 前週末比 0.27円の円安
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【前週のレビュー】ニューヨーク原油7月限は60〜65ドルのエリアでのもみ合いの
様相。60ドルの節目を維持できるか否かが目先の焦点となるが、維持できればこのま
ましばらくはもみ合いが続く可能性もあるとした。

【NY原油は60〜65ドルのもみ合い】
 ニューヨーク原油7月限の直近の安値は23日の60.02ドルまでで、60〜65
ドルのエリアでのもみ合いが続いている。正確に記すと、60.02〜64.19ドル
のもみ合いとなっている。
 目先はこれをどちらに放れるのか、あるいはしばらくこのエリアでのもみ合いが続く
のかが焦点となる。

 材料的には、イスラエルのイラン核施設攻撃の可能性が引き続き燻っている。一方で
トランプ米大統領がイスラエルに自重を求めて、さらにイランの核開発協議を巡る米国
とイランの協議が合意に近づいているとの認識を示すなど、強弱材料が交錯している。
 また「トランプ関税」を巡る材料も一転二転している。28日に国際貿易裁判所がト
ランプ政権が発動した「相互関税」などを違法だと判断し、関税の差し止めを命じたも
のの、29日には米連邦巡回控訴裁判所(高裁)がこの国際貿易裁判所の判断を一時停
止し、関税措置を復活させる判断を下した。
 これらの結果、原油相場はエリア内で乱高下する展開を余儀なくされているが、目先
は予定より1日早く31日に実施されることになった石油輸出国機構(OPEC)プラ
ス会合の行方が焦点となってきた。日量41万1000バレルの増産がほぼ既定路線と
みられているが、この結果が週明けの値動きを大きく左右することになりそうだ。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は4万2000ドルを中心としたもみ
合いとなっている。
 ドルインデックスは100ポイントを挟んだもみ合いとなっている。

【米国はドライブシーズンの始まり】
 米国では5月のメモリアルデー(最終月曜日)の祝日〜9月のレイバーデー(第1月
曜日)をドライブシーズンとなり、ガソリン需要の最盛期となるが、最新の米エネルギ
ー情報局(EIA)の週報にその傾向が表れている。
 原油在庫が前週比279万5000バレル減の4億4036万バレル、ガソリン在庫
が244万1000バレル減の2億2308万バレル、留出油在庫が72万4000バ
レル減の1億0341万バレルとなり、原油とガソリン在庫の減少が目立った。またガ
ソリン需要は日量945万2000バレルと今年最高水準となった。

【東京原油のテクニカル分析】
 東京原油の6番限である10月限はこのところボリンジャーバンドの−1シグマ(5
万4350円辺り)〜1シグマ(5万6980円辺り)の間でのもみ合いが続いたが、
直近は下限の−1シグマを試す展開となっている。

【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油7月限は21日の移動平均線でもあるボリンジャーバンドの中心線
(60.48ドル辺り)〜1シグマ(62.32ドル辺り)を中心としたもみ合いが続
いている。

 ブレント原油7月限も同様にボリンジャーバンドの中心線(63.50ドル辺り)〜
1シグマ(65.11ドル辺り)を中心としたもみ合いが続いている。。

<当面の予定>
 1日【休日】中国端午節 (〜2日)
   【経済】中国製造業購買担当者景況指数 2025年5月(中国物流購買連合会)
   【経済】中国非製造業購買担当者景況指数 2025年5月(中国物流購買連合会)

 2日【経済】新車登録台数 2025年5月(自販連)
   【経済】軽自動車新車販売速報 2025年5月(全軽自協)
   【発会】プラッツドバイ原油 2026年8月限(東京商品)
   【経済】ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2025年5月確報(Markit)
   【経済】英マネーサプライ 2025年4月(BOE)
   【経済】米建設支出 2025年4月(商務省)
   【経済】米製造業景況指数 2025年5月(ISM)

 3日【経済】ユーロ圏消費者物価指数 2025年5月速報(EUROSTAT)
   【経済】ユーロ圏雇用統計 2025年4月(EUROSTAT)
   【経済】米耐久財受注 2025年4月確報値(商務省)
   【経済】米製造業新規受注 2025年4月(商務省)
   【経済】米新車販売台数 2025年5月(Autodata)
   【工業】米週間石油統計(API)

 4日【工業】原油・石油製品供給統計週報(石油連盟)
   【工業】石油製品給油所小売価格調査(資源エネルギー庁)
   【経済】ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2025年5月確報(Markit)
   【経済】ユーロ圏購買担当者総合景況指数 2025年5月確報(Markit)
   【経済】米住宅ローン申請指数(MBA)
   【経済】米雇用統計 2025年5月(ADP)
   【経済】米非製造業景況指数 2025年5月(ISM)
   【経済】米地区連銀経済報告・ベージュブック(FRB)
   【工業】米週間石油統計(EIA)

 5日【経済】対外及び対内証券売買契約等の状況 5月25日-5月31日(財務省)
   【経済】中国サービス業購買担当者景況指数 2025年5月(財新)
   【経済】ユーロ圏生産者物価指数 2025年4月(EUROSTAT)
   【経済】ユーロ圏理事会結果公表(ECB)
   【経済】独製造業受注 2025年4月(経済技術省)
   【経済】米貿易収支 2025年4月(商務省)
   【経済】米新規失業保険申請件数(労働省)
   【農産】米週間穀物輸出成約高(USDA)

 6日【経済】全世帯家計調査・消費支出 2025年4月(総務省)
   【経済】景気動向指数 2025年4月速報(内閣府)
   【経済】ユーロ圏国内総生産 2025年1-3月期確報(EUROSTAT)
   【経済】ユーロ圏小売売上高 2025年4月(EUROSTAT)
   【経済】独貿易収支 2025年4月(連邦統計庁)
   【経済】独鉱工業生産指数 2025年4月(経済技術省)
   【経済】仏国際収支 2025年4月(フランス銀行)
   【経済】仏貿易収支 2025年4月(INSEE)
   【経済】仏鉱工業生産指数 2025年4月(INSEE)
   【経済】米雇用統計 2025年5月(労働省)
   【経済】米消費者信用残高 2025年4月(FRB)
   【商品】米建玉明細報告(CFTC)
     【工業】全米石油堀削稼動数(米ベーカーフューズ)

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