[今日の視点]貴金属=金は円安が支援、プラチナは売り一巡後は押し目買い

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 貴金属は、金が前日の終値水準で寄り付く見通し。金は、1ドル=144円台後半の
円安が支援材料だが、ニューヨークの反落を受けて売り優勢を予想。プラチナ系貴金属
(PGM)はプラチナが2008年8月以来の高水準まで上昇した直後だけに買い警戒
感が強まり、上値を抑制される展開か。売り一巡後、押し目買いでどの程度の反発力が
あるかを見極めたい。
 午前8時5分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は2.91ドル安の
3324.51ドル、銀が1セント高の3654セント、プラチナが2.60ドル高の
1217.70ドル、パラジウムは9.04ドル安の1058.29ドル。
 午前8時5分現在のドル・円相場は1ドル=145.05/06円で、前営業日の大
引け時点から0.58円の円安。
 先限の寄り付き目安は、金が1万5575円前後、銀は168.4円前後、プラチナ
は5370円前後、パラジウムは4900円前後。
【NY金は利益確定の動きが広がる】
 金はきのうの海外市場は、米中通商協議が9日に続き10日も行われたことでその動
向を慎重視する雰囲気が強まるなか、前日に上伸した後の利益確定の動きが広がった。
 金は米中の通商協議が引き続き焦点となるなかドルの堅調を受けて玉整理のための手
仕舞い売りが優勢となった。ユーロは前週の欧州中央銀行(ECB)理事会で金融緩和
サイクルの終了が近いことが示唆されたものの、市場では今年中にもう一度、利下げが
行われると見込む声も聞かれているが、利下げは終了に近いとの見方がユーロを買い支
える要因となった。11日に発表の5月の米消費者物価指数(CPI)に対する反応
と、米中通商協議の内容と反応の見極めが必要。
 英国で5月雇用統計で有給従業員月次変化の5年ぶりの減少幅や、予想を下回る賃金
上昇率を受けて英中銀の利下げ期待が高まっている。
 銀はきのうの海外市場は、ドルを買い戻す動きや金軟調から売り優勢となった。
【前日JPXプラチナは大商いも取組高の減少続く】
 プラチナはきのうの海外市場では、高値警戒感の強まりや金軟調を受けて売り優勢と
なった。
 プラチナは高値警戒感の強まりや金軟調が弱気材料視された。米中の通商協議は9日
に続いて10日も行われたうえ、11日も引き続き行われる可能性が高まったことで、
その行方を慎重視する雰囲気が強まり、利益確定の動きが促された。
 昨日のJPXプラチナは大商いのなか、中盤に3ケタ高となったが、上げ幅を削り、
一時、小安くなったが、引けは買い優勢。取組高は700枚減の2万5616枚。損切
りの買い戻しと、利食い売りが新規売りを上回った。5月28日以降、取組高の減少が
続いている。買い戻し主導の踏み上げ相場。買い方は利益確定の動きが優勢。
<今日の予定>
◆ 日本 ◆
【経済】08:50 企業物価指数 2025年5月(日本銀行)
【工業】12:00 原油・石油製品供給統計週報(石油連盟)
【工業】14:00 石油製品給油所小売価格調査(資源エネルギー庁)
【朔望】16:44 満月 満月
◆ アメリカ ◆
【経済】20:00 住宅ローン申請指数(MBA)
【経済】21:30 消費者物価指数 2025年5月(労働省)
【経済】6/12 03:00 財政収支 2025年5月(財務省)
【工業】23:30 週間石油統計(EIA)

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