株価指数先物【引け後】 +2σ突破でヘッジ対応を迫られる可能性も

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪6月限
日経225先物 38440 +210 (+0.54%)
TOPIX先物 2789.0 +3.0 (+0.10%)

 日経225先物(6月限)は前日比210円高の3万8440円で取引を終了。寄り付きは3万8360円と、シカゴ日経平均先物(3万8375円)にサヤ寄せする形で買いが先行した。現物の寄り付き直後には、3万8530円まで上げ幅を広げた。買い一巡後は前場中盤にかけて利益確定に伴うロング解消により、3万8290円まで上げ幅を縮める場面もみられたが、前場終盤は3万8350円~3万8400円辺りで底堅く推移。後場も3万8340円~3万8460円と狭いレンジながら底堅い値動きが続いた。

 米中通商協議は、先月スイスのジュネーブで合意した内容を実行に移す方法を巡る枠組みで合意したと伝えられた。この報道をきっかけにロングが強まり、3万8530円まで上げ幅を広げる形だった。ただし、ボリンジャーバンドの+2σ(3万8450円)を上回ってきたことで利食いも入りやすく、その後は+1σと+2σによるレンジ内での推移となっている。米国で5月の消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることも、利食いに向かわせたようだ。

 米中協議を終え、ラトニック米商務長官は中国によるレアアースの輸出規制が解決されることに期待感を示した。トランプ米大統領と中国の習近平国家主席から承認を得られれば、ジュネーブ合意の枠組みを実行に移すことになる。ひとまず米中貿易摩擦への懸念が和らぐ形になったため、押し目待ち狙いのロングが入りやすい。CPIを無難に通過してくると、ロングが強まる可能性もあるだろう。

 ナイトセッションで+2σは3万8540円で推移している。節目の3万8500円水準では強弱感が対立しやすいものの、週末に6月の先物・オプション特別清算指数算出日(メジャーSQ)を控え、3万8500円水準で落ち着かせたいところだろう。足もとでは3万8000円から3万8500円辺りで推移していたこともあって、限月交代に伴うロールオーバーが中心のなかでは、ヘッジ対応からの大きな変動は避けたいところである。

 一方で、+2σ水準を明確に上抜けてくるようだと、過熱感は警戒されるものの、ヘッジ対応を迫られることで上へのバイアスを強めてきそうだ。そのため、+3σ(3万8940円)水準が意識される可能性はありそうだ。

 NT倍率は先物中心限月で13.78倍に上昇した。+1σ(13.74倍)を上回っての推移をみせており、+2σ(13.83倍)とのレンジに移行してきた。5月14日につけた13.86倍が射程に入ってきたことで、NTロングに振れやすいだろう。

 手口面(6月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万7417枚、ソシエテジェネラル証券が1万1536枚、野村証券が1万0830枚、みずほ証券が6451枚、JPモルガン証券が5828枚、ゴールドマン証券が5195枚、バークレイズ証券が4745枚、シティグループ証券が4075枚、モルガンMUFG証券が4021枚、ビーオブエー証券が1797枚だった。

 TOPIX先物はソシエテジェネラル証券が2万0803枚、ABNクリアリン証券が1万2496枚、バークレイズ証券が1万1418枚、野村証券が9927枚、モルガンMUFG証券が8390枚、みずほ証券が7721枚、ビーオブエー証券が7683枚、ゴールドマン証券が6613枚、SMBC日興証券が4135枚、UBS証券が3781枚だった。

株探ニュース

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