[今日の視点]貴金属=金が続落、プラチナは続伸

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 貴金属は、金が続落して寄り付く見通し。金はドル建て現物相場の下落を受けて売り
優勢となろう。銀はニューヨーク高と円安を受けて買い優勢となろう。プラチナ系貴金
属(PGM)はプラチナがニューヨーク高と円安を受けて堅調となろう。
 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は16.45ドル安
の3319.90ドル、銀が30セント高の3663セント、プラチナが49.13ド
ル高の1428.73ドル、パラジウムは50.61ドル高の1145.49ドル。
 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=144.52/54円で、前営業日の
大引け時点から0.18円の円安。
 先限の寄り付き目安は、金が1万5600円前後、銀は171.0円前後、プラチナ
は6250円前後、パラジウムは5000円前後。
【NY金は米国債の利回り低下やドル安が支援】
 金はきのうの海外市場は、米国債の利回り低下やドル安を受けて押し目を買われた。
 金は米国債の利回り低下やドル安が支援要因になった。第1四半期の米国内総生産
(GDP)確報値は年率換算で前期比0.5%減と、改定値の0.2%減から下方修正
された。個人消費の大幅な下方修正を反映した。また米新規失業保険申請件数は数減少
したものの、一時解雇(レイオフ)されたより多くの人々が職探しに苦労していること
から、6月の失業率は上昇する公算が高い。サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁
は、関税が大幅もしくは持続的なインフレの急上昇につながらない可能性を示す証拠が
増えており、秋に利下げを実施することを正当化する一助になるという認識を示した。
一方、ホワイトハウスでの議論に詳しい関係者によると、トランプ米大統領は、パウエ
ル米連邦準備理事会(FRB)議長の後任をまだ決めておらず、決定は差し迫ったもの
ではない。
 ただ中東の緊張が緩和するなか、ドル安が一服すると、金に利食い売りが出た。イラ
ンのアラグチ外相は、米国と協議を行う予定は現時点ではないと述べた。核計画の新た
な現実を巡る状況がイランの今後の外交姿勢を決定するとの考えを示した。イスラエル
のネタニヤフ首相は、イスラエルとイランとの戦争の結果、和平に向けた新たな機会が
もたらされているとし、イスラエルはこれを無駄にしてはならないと述べた。
 銀はきのうの海外市場は、ドル安や金堅調を受けて押し目を買われた。
【プラチナはドル安や金堅調で踏み上げ】
 プラチナはきのうの海外市場では、ドル安や金堅調を受けて買い優勢となった。
 プラチナはドル安や金堅調が支援要因になった。米連邦準備理事会(FRB)の年内
の利下げ見通しが強い。上海プラチナの出来高が減少し、中国勢は高値での買いを見送
っているが、ニューヨーク市場で踏み上げの動きが出ている。一方、トランプ米大統領
は、米政府は中国と貿易に関する合意に25日に署名したと述べた。ただ具体的な内容
については明らかにしなかった。
<今日の予定>
・労働力調査(失業率) 2025年5月(総務省)
・小売業販売額 2025年5月速報(経済産業省)
・中国工業利益 2025年5月(国家統計局)
・英国内総生産 確報値 2025年1-3月期(国立統計局)
・米個人所得・支出 2025年5月(商務省)
・米消費者信頼感指数 2025年6月確報値(ミシガン大)
・建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行

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