【これからの見通し】きょうは米ADP雇用統計、明日の米雇用統計の控えてファンダメンタルズ面に視線

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】きょうは米ADP雇用統計、明日の米雇用統計の控えてファンダメンタルズ面に視線

 足元の状況を概観すると、米国によるイラン核施設への直接攻撃、それに続くイスラエルとイランの停戦合意などで「有事のドル買い」は収束している。本来の米ファンダメンタルズ動向や、それに基づいた米利下げ観測などに市場の視線が回帰してきているようだ。依然としてトランプ米大統領による不規則な言動がノイズ要因とはなっているが、それに対して市場は慣れてきている。

 きょうは6月の米ADP雇用統計が発表される。あすには米雇用統計発表が控えており、その関連指標として注目される。市場予想は9.8万人増と前回5月の3.7万人増から上昇する見込み。しかし、今年1月の18.3万人からはかなり水準が低下することとなる。ちなみに、今年に入ってからの単純平均は10.28万人となっている。これらと比較しながら回復度合いを判断することもできそうだ。

 あすの6月米雇用統計について、現時点での非農業部門雇用者数のエコノミスト予想は11万人増と前回5月の13.9万人増からは伸び悩むことが見込まれている。ただ、予想と結果が乖離することも多い指標となっている。きょうのADP雇用統計結果に市場センチメントが引っ張られる面があるかもしれない。

 為替動向をみると、きょうはややドル高に傾斜している。注目される上記の米雇用関連指標発表を控えて、先週から続いたドル安の流れに調整圧力がみられている。ただ、現状ではドル高の動きは限定的。ドル安の流れに関して目立った変化はみられていないようだ。

 この後の海外市場で発表される経済指標は、上記の米ADP雇用統計のほかには、フランス財政収支(5月)、ユーロ圏失業率(5月)、米MBA住宅ローン申請指数(06/21 - 06/27)、米チャレンジャー人員削減数(6月)、ブラジル鉱工業生産指数(5月)などが予定されている。

 発言イベント関連では、ECBフォーラム「変化への適応:マクロ経済の転換と政策対応」に関連して、デギンドスECB副総裁、チポローネECB理事、テイラー英中銀委員、レーンECBチーフエコノミストなどの講演や討論会出席などが予定されている。そして、ラガルドECB総裁がECBフォーラム閉会のスピーチを行うこととなっている。その他には米週間石油在庫統計が発表される。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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