きょうの為替市場、NY時間に入ってドル高が強まっており、ドル円は一時145円台を回復する場面が見られた。6月の米雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数(NFP)が14.7万人増と予想以上の増加を示し、失業率も4.1%に低下するなど、米労働市場の底堅さを示した。発表後に米国債利回りも急上昇している。 前日のADP雇用統計が予想外の減少を示していたことから、弱い内容も警戒されていた。同時刻に発表になった米新規失業保険申請件数も予想を下回る内容となった。 半面、同時にFRBの早期利下げ期待は後退。パウエルFRB議長はこれまで、インフレへの関税の影響が明確になるまで利下げを急がない方針を示しているが、労働市場が大きく弱まった場合には、利下げのタイミングが早まる可能性があると議会で証言していた。本日の米雇用統計は早期利下げ期待を後退させる内容となっており、短期金融市場でも前日は25%程度あった7月利下げの確率がほぼゼロとなっている。 市場はまた、税制・歳出削減法案の行方にも注目。法案は火曜日に上院を通過し、下院で最終採決に向けて進められている。下院では法案を前進させるための重要な手続き上の関門を深夜に突破した。法案には、減税措置、クリーンエネルギー優遇策の段階的廃止、不法移民対策が含まれる。本日中にも最終採決が行われる可能性があり、スムーズに行けば、トランプ大統領が自ら課した7月4日の期限に間に合う見通し。 本日144円台半ばに来ている21日線を回復しているが、反転の狼煙をあげるか注目される。ドルショート・円ロングは依然として積み上がっており、ポジション的には下値での買いは出易い状況にはある。 日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は現行付近には観測されていない。 3日(木) 現行付近にはなし MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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