【前週までのレビュー】ゴム独自の材料が見当たらない中、米株高に連動する動きを 見せている。米株市場の調整が始まれば、JPXゴムRSS3号もそれに追随する可能 性があるので、注意したいとした。 【米株に追随の動き続く】 JPXゴムRSS3号は、上値追いの展開となっている。中心限月の期中12月限は 18日の午前に330円に迫っている。ただ、ゴムのファンダメンタルズからは積極的 に買い進むような材料は見当たらない。依然として、米株高に連動した動きが続いてい るとみる。17日もS&P500とナスダック総合株価指数が揃って過去最高値更新、 18日のJPXゴムRSS3号は買いが先行している。チャート的には、上値を試しや すいとみる。 ただ、ここにきてトランプ米大統領が再びパウエル米連邦準備制度理事会(FRB) 議長への不満を募らせているようだ。法的には、解任は出来ないので、辞任に追い込む ような動きを見せる可能性がある。その場合、4月のような金融不安が起きる。株式市 場が楽観的に傾いているのと相まって、株式市場は水準調整を余儀なくされるだろう。 米国株の調整が始まれば、JPXゴムRSS3号もそれに追随することになるだろう。 【上海ゴム9月限は1万5000元に迫る】 上海ゴムの中心限月の9月限は、1万5000元目前まで上昇している。中心限月の 9月限は、2日に1万4185元まで上昇し、6月27日に付けた直近の高値1万41 65元を上抜いた。だが同水準では戻り売りを浴び、その後は1万4000元前後での もみ合いとなっていた。しかし、10日の夜間取引で1万4450元まで水準を引き上 げると、しばらく1万4500元付近での攻防になった後、17日に終値ベースで1万 4500元を上抜くと、18日に1万4980元まで水準を引き上げている。1万5 000元台に乗せると、5月14日の高値1万5310元や節目の1万5500元を目 指すことになる。 【中国4−6月期GDPは減速】 中国国家統計局が15日に発表した2025年4−6月期国内総生産(GDP)は、 前年同期比5.2%増となり、1−3月期の5.4%増を下回った。この背景には、米 国との貿易摩擦により生産が減少したことや不動産不況が挙げられる。 同時に発表された、中国の6月の新築住宅価格は前月比0.3%下落となり、過去8 カ月で最大の下げ幅となった。また、6月の小売売上高は、前年比4.8%増となった ものの、5月の6.4%増からは減速、市場予想の5.4%増も下回った。中国景気は 依然として、不調であり、下期に追加の景気対策が打ち出されるか注目される。 【東京ゴム中心限月の12月限のテクニカル要因】 ゴムRSS3号の中心限月の12月限は、上値追いの展開となっている。6月に入っ てからの値動きをみると、上海安を受けて、6月3日に284.0円まで下落し、一代 の安値を付けた。その後、戻り歩調となり、19日には308.5円まで水準を引き上 げた。戻り売りを浴び、23日に291.9円まで下落。だが、同水準で支持される と、ジリジリと水準を引き上げ、7月3日には317.4円まで上昇、308円台まで 押し戻されたが、その後は、上海高などを背景に、18日の午前中には329.1円ま で上昇した。 買い優勢となれば、節目の330円を終値ベースでしっかり上抜くかに注目したい。 これに成功すれば、現時点では330円超の水準には、特に目立った抵抗線が見当たら ないことから、節目の335円や340円を意識した展開になりそうだ。 一方、売りが先行すれば、上昇を続けている一目均衡表の転換線が支持になりそう だ。18日時点では318円台に位置している。節目の310円や、6月30日以降、 支持となっている307円前後が意識される。 【今週の注目ポイント】 引き続き、米株市場に注目したい。ゴム独自の材料に乏しい中、株式市場の影響を受 けやすい状況となっている。17日、S&P500とナスダック総合株価指数は、揃っ て過去最高値を更新した。ただ、S&Pは6月27日以降で6回過去高値を更新、ナス ダック総合指数は、過去7営業日で6回もの最高値更新となっている。やや過熱感も出 ており、米株が調整場面を迎えると、JPXゴムRSS3号も売りが出やすいとみる。 【相場予想レンジ】 7月21〜25日のJPXゴムRSS3号12月限の中心レンジ予想は310〜34 0円前後。テクニカルの支持線は318円台(一目均衡表の転換線)、抵抗線は33 5.0円(節目)。 MINKABU PRESS ※投資や売買は御自身の判断でお願いします。
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