[8月4日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日) 2026 年 6 月限 7 月 28 日〜 8 月 1 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 金 16,025 16,138 ( 1) 15,850 (31) 16,081 +76 銀 178.0 182.8 (29) 176.0 (31) 176.0 -2.0 プラチナ 6,080 6,238 (29) 5,778 (31) 5,876 -194 パラジウム 5,900 5,900 (28) 5,900 (28) 5,900 0 ====================================== NY貴金属(カッコ内は限月) | 東京外為・株式/NY原油 1 日終値 前週末比 | 終 値 前週末比 金 (12) 3,399.8 +7.3 | ドル・円 150.61 3.67 円安 銀 ( 9) 3,692.9 -143.6 | 日経平均 40,799.60 -656.63 プラチナ (10) 1,316.9 -105.9 | NY原油 ( 9) 67.33 +2.17 パラジウム ( 9) 1,218.10 -36.60 |* ドル・円は15時45分現在、原油は 1日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前回のレビュー】 金は関税交渉の合意見通しが圧迫要因、とした。 金は米国と欧州連合(EU)の関税合意などを受けて売り優勢となった。米連邦公開 市場委員会(FOMC)で金利据え置きが決定され、パウエル米連邦準備理事会(FR B)議長が9月の利下げ判断は時期尚早と述べると、一段安となった。現物相場は6月 30日以来の安値3268.64ドルを付けた。金先限は11日以来の安値1万 5850円を付けた。 トランプ米大統領は、欧州連合(EU)との関税交渉で合意したと明らかにした。自 動車を含めEUからの大半の輸入品に対する関税率は15%となるとした。当初の30 %から引き下げられたが、6000億ドルの対米投資を約束させられた。また中国との 関税の停止期間は8月12日に失効するが、ベッセント米財務長官と中国の何立峰副首 相の貿易交渉で停止期間を3カ月延長することで合意した。米大統領はブラジルに追加 的に40%の関税を課す大統領令に署名し、関税率を合計50%に引き上げた。またイ ンドからの輸入品に25%の関税を課すとした。インドによるロシア製の武器と石油の 購入に対してペナルティーを科すと述べた。インドは米国製品の輸入拡大を含む複数の 選択肢を検討しており、即時の報復措置は見送る方針とした。一方、メキシコとの貿易 協定を90日間延長し、新たな協定の締結を目指すことで、メキシコのシェインバウム 大統領と合意したと発表した。米大統領は新たな関税率を課す大統領令に署名したこと を発表しており、各国の対応を確認したい。 米連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標 を4.25〜4.50%に据え置くと決定した。ウォラー理事とボウマン副議長の2人 が反対票を投じた。ただパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が、9月の米FOM Cで利下げを実施するかどうかを判断するのは時期尚早だと述べると、ドル高が進ん だ。第2四半期の米国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比3.0%増となっ た。前四半期の0.5%減からプラスに転じ、事前予想の2.4%増を上回った。6月 の米個人消費支出(PCE)価格指数は前年比2.6%上昇し、前月の2.4%から加 速した。米FRBの9月の利下げ見送りの見方が強い。 【金ETF残高は減少】 世界12カ国に上場している金ETF(上場投信)の現物保有高は31日時点で 1142.07トンとなり、前週末比3.16トン減少した。米国で2.58トン、南 アで0.81トン減少、英GBSで0.01トン、英ETFSで0.07トン、オース トラリアで0.14トン増加した。米国と欧州連合(EU)の関税合意や、米連邦準備 理事会(FRB)の早期利下げ観測後退を受けて投資資金が流出した。一方、米商品先 物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、7月22日時点のニューヨーク金 の大口投機家の買い越しは25万3038枚となり、前週の21万3115枚から拡大 した。今回は新規買いが4万1722枚、新規売りが1799枚出て、3万9923枚 買い越し幅を拡大した。 トランプ米大統領がウクライナとの停戦合意に応じなければロシアに関税などの制裁 措置を発動する姿勢を示していることに対し、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、ロ シアは既に制裁などへの免疫を得ているとして、効果に疑問を呈した。米大統領は8月 8日までにロシア・ウクライナ戦争を終結させる合意を望んでいると明確に示した。一 方、スターマー英首相は、飢餓が深刻化しているパレスチナ自治区ガザの状況について イスラエルが対応しなければ、9月の国連総会でパレスチナを国家として承認する用意 があると表明した。カナダのカーニー首相も、国連総会でパレスチナを国家承認する意 向を示した。米大統領は、貿易協定を結ぶのは難しいとの見方を示した。カナダに対す る関税率は25%から35%に引き上げられた。 【銀はドル高や金軟調で調整局面】 銀の現物相場はドル高や金軟調を受けて調整局面を迎え、7日以来の安値36.23 ドルを付けた。米国と欧州連合(EU)の関税合意が下支えになったが、米連邦準備理 事会(FRB)の早期利下げ観測後退を受けて下げが加速した。当面は8月1日からの 米国の関税引き上げの影響を確認したい。 31日のニューヨークの銀ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比168.11 トン減の1万5062.32トンとなった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC) の建玉明細報告によると、7月22日時点のニューヨーク銀の大口投機家の買い越しは 6万0620枚となり、前週の5万9448枚から拡大した。新規買い、買い戻しが入 った。 当面の予定(イベント・経済統計) 4日 ●オーストラリア(バンク・ホリデー) 米耐久財受注 2025年6月確報値(商務省) 米製造業新規受注 2025年6月(商務省) 5日 金融政策決定会合議事要旨公表 6月16-17日分(日本銀行) 中国サービス業購買担当者景況指数 2025年7月(財新) ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2025年7月確報(Markit) ユーロ圏生産者物価指数 2025年6月(EUROSTAT) 米貿易収支 2025年6月(商務省) 米非製造業景況指数 2025年7月(ISM) 6日 独製造業受注 2025年6月(経済技術省) ユーロ圏小売売上高 2025年6月(EUROSTAT) 7日 中国貿易収支 2025年7月(税関総署) 独貿易収支 2025年6月(連邦統計庁) 独鉱工業生産指数 2025年6月(経済技術省) 英中銀政策金利公表(BOE) 米新規失業保険申請件数(労働省) 米卸売在庫 2025年6月確報値(商務省) 8日 国際収支(経常収支) 2025年6月(財務省) 建玉明細報告(CFTC) MINKABU PRESS 東海林勇行 ※投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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