【これからの見通し】ドル円に一段の下押しがあるのか、きょうは米PPIと新規失業保険申請件数 ドル円は今日の東京市場で146円台前半へと軟化している。背景にはベッセント米財務長官発言があるようだ。9月の米FOMCで50bpの大幅利下げを要求、その後の利下げ継続も示唆している。さらに、米国のみならず、日本についてもインフレ抑制を植田日銀総裁に要請している。市場では日米金利差縮小観測が再燃しており、ドル売りとともに円買いの圧力につながっている。 米ファンダメンタルズ指標についても、今月の米雇用統計が前回、前々回と雇用者数の伸びが大幅に下方改定されたことは記憶に新しい。今週の米消費者物価指数(CPI)については、コア前年比が+3.1%に伸びたものの、ヘッドライン前年比が+2.7%と予想を下回ったことに反応してドルが売られた。そして、本日は米生産者物価指数(PPI)と米新規失業保険申請件数が発表される。 PPIの予想は前年比+2.5%(前回+2.3%)、コア前年比+3.0%(前回+2.6%)となっている。いずれも伸びの加速が見込まれている。ただ、米CPIでコア前年比の伸びが市場にほとんど無視されていたように、センチメントは利下げに傾いている。発表後の市場反応が注目される。 新規失業保険申請件数の予想は22.5万件(前回22.6万件)、継続受給者数は196.7万件(前回197.4万件)となっている。失業保険統計は週次データであることから、結果にばらつきが出やすい。その中で継続受給者数がトランプ就任を境に180万人台から190万人台に水準を上げている点が指摘される。さらに200万人に接近するようだと、雇用情勢の一段の悪化が示されることとなりそうだ。米PPIとあわせて市場反応をチェックしたい。 この後の海外市場で発表される経済指標は、ユーロ圏鉱工業生産指数(6月)、ユーロ圏実質GDP(改定値)(2025年 第2四半期)なども予定されている。 発言イベント関連では、NY時間に入ってから、ムサレム・セントルイス連銀総裁がCNBCに出演する。バーキン・リッチモンド連銀総裁が全米企業エコノミスト協会(NABE)討論会に出席する。米主要企業決算は、アプライド・マテリアル、ディアー、タペストリーなどが予定されている。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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