[8月18日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日付) 8 月 12 日〜 8 月 15 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 ガソリン 先限 81,000 81,000(12) 81,000(12) 81,000 ±0 灯 油 先限 81,000 81,000(12) 81,000(12) 81,000 ±0 原 油 1月限 59,180 60,100(14) 58,130(15) 59,240 +340 ====================================== 8 月 11 日〜 8 月 15 日 <海外原油> 週間4本値 始 値 高 値 安 値 終 値 前週末比 NY原油 10 月限 62.65 63.54(11) 61.29(13) 61.98 -1.02 ブレント原油 10 月限 66.25 67.13(11) 65.01(13) 65.85 -0.74 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 15日 東京時間の午後3時15分現在 ドル・円 147.12 前週末比 0.29円の円高 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前週のレビュー】ニューヨーク原油9月限は一時的な70ドル台乗せから崩落して、 直近の安値は6日に付けた63.64ドル。目先の下値メドは、6月の暴落時に付けた 62.84ドルとなる。仮にこれを割り込むと、60ドルの節目が意識されて来そうだ とした。 【NY原油10月限、再び安値更新なら60ドルの節目が視野】 ニューヨーク原油は結局、さらに安値を更新する展開となった。9月限は20日に納 会するため、10月限が指標限月となるが、その10月限は13日には61.29ドル まで下落して、6月の暴落時に付けた62.00ドルを割り込んだ。そのあと戻して本 稿執筆時の15日午後時点では63ドル近辺で推移している。このまま戻すのか再び下 値模索に向かうのか現状どちらの可能性もあり、底入れ判断はまだ時期尚早だ。仮に今 度前述の61.29ドルを割り込むようであれば、60ドルの節目が視野に入って来る ことになろう。 材料的には、15日にアラスカの米軍基地で開催予定の米露首脳会談が目先最大の焦 点。ただ一気に停戦合意となる可能性は低く、トランプ米大統領も「2回目会談の土台 築く」とすでに予防線を張っている。それでも前日の14日は売り方が買い戻しを先行 させたため戻す展開となった。13日の下落場面では、後述する国際エネルギー機関 (IEA)の月報などが弱気されていたが、売り方が早めに利食いに出た形だ。 原油相場から見ると、この会談を受けてロシア産の供給がどう変化するのか焦点とな るが、その意味では無風で終わる可能性もあり、むしろそれを受けたドルや米株の値動 きに左右されるような展開となりそうだ。 ただロシア産の供給の変化という意味では、前回の当欄で速報を記したインドが原油 の輸入元の多角化を図るなどすでに変化が見られ、中国も含めてこれらのニュースには 注意したい。 前週の当欄で指摘したが、米国の圧力もあり、インドの大手国営製油会社、インディ アン・オイル(IOC)とバーラト・ペトロリアム(BPCL)が、米国、ブラジル、 中東など非ロシア産原油の調達を急増させている。同国の9月積みのサウジアラビア産 原油の輸入は2250万バレルとほぼ1年振りの高水準となる見込みだ。ただその一方 で一部の製油会社はターム(長期)契約しているロシア産原油の輸入を継続する。 中国の脱ロシア産原油の動きは今のところあまり報じられていないため、インド、中 国のロシア産原油からの代替需要が今後どの程度世界の原油の支援材料となるのかは不 透明だ。差し当たり21日にモスクワで露印外相会談が開催されるが、その辺りで両国 の良好な経済関係が示されれば、原油にはあまり強気には作用しないだろう。 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は高値圏で再び戻す展開となり、再び 4万4900ドル台に乗せている。 ドルインデックスは8月に入ってからの高値からの下落も一服して、97〜98ポイ ント台でのもみ合いとなっている。 【年末から来年にかけて需給が大幅に緩和する見込み=IEA月報】 13日に発表されたIEA月報では、2025年の世界石油需要の伸びは日量68万 バレルと、前回の同70万バレルから下方修正される一方、2025年の世界石油供給 の伸びは同250万バレルと、前回の同210万バレルから上方修正された。 IEAは、「今年末から来年にかけて世界石油は供給が需要を大幅に上回ると見込ま れる」としており、「需給バランスが大幅に緩和する」と指摘している。 【東京原油のテクニカル分析】 東京原油の6番限である12月限は8月初めの高値からの下落も下げ渋り模様とな り、おおむね6万円の節目を上値抵抗として、ボリンジャーバンドの−1シグマ(5万 9180円辺り)を挟んだもみ合いが続いている。 【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】 ニューヨーク原油10月限は、緩やかに下降中のボリンジャーバンドの−1シグマ (62.92ドル辺り)と−2シグマ(61.06ドル辺り)の間のバンドウォークが 続いており、直近はレンジ上限の−1シグマを試している。 ブレント原油10月限もほぼ同様の展開。ボリンジャーバンドの−1シグマ (66.43ドル辺り)と−2シグマ(64.60ドル辺り)の間のバントウォークが 続いていたが、直近は−1シグマを上抜けた。 <当面の予定> 18日【経済】第3次産業活動指数 2025年6月(経済産業省) 【経済】ユーロ圏貿易収支 2025年6月(EUROSTAT) 【経済】英住宅価格指数 2025年8月(ライトムーブ) 19日【経済】ユーロ圏国際収支 2025年6月(ECB) 【経済】米住宅着工・許可件数 2025年7月(商務省) 【工業】米週間石油統計(API) 20日【経済】機械受注 2025年6月(内閣府) 【経済】貿易収支 2025年7月速報(財務省) 【工業】原油・石油製品供給統計週報(石油連盟) 【工業】石油製品給油所小売価格調査(資源エネルギー庁) 【経済】ユーロ圏消費者物価指数 2025年7月確報(EUROSTAT) 【経済】独生産者物価指数 2025年7月(連邦統計庁) 【経済】英消費者物価指数 2025年7月(国立統計局) 【経済】英小売物価指数 2025年7月(国立統計局) 【経済】英生産者物価指数 2025年7月(国立統計局) 【経済】米住宅ローン申請指数(MBA) 【経済】米FOMC議事録公表 7月29-30日(FRB) 【工業】米週間石油統計(EIA) 【納会】米WTI原油 2025年9月限(NYMEX) 21日【経済】対外及び対内証券売買契約等の状況 8月10日-8月16日(財務省) 【経済】ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2025年8月速報(Markit) 【経済】ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2025年8月速報(Markit) 【経済】ユーロ圏購買担当者総合景況指数 2025年8月速報(Markit) 【経済】米新規失業保険申請件数(労働省) 【経済】米製造業景況指数 2025年8月(フィラデルフィア連銀) 【経済】米景気先行指数 2025年7月(カンファレンスボード) 【経済】米中古住宅販売統計 2025年7月(全米不動産協会) 22日【経済】消費者物価指数 2025年7月(総務省) 【経済】独国内総生産 2025年4-6月期確報(連邦統計庁) 【経済】英小売売上高 2025年7月(国立統計局) 【商品】米建玉明細報告(CFTC) 【工業】全米石油堀削稼動数(米ベーカーフューズ) MINKABU PRESS *投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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