ゴム週間展望=レンジ相場継続も下放れリスクを警戒

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
              [8月18日からの展望]
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     週間高低(カッコ内は日付)         8月11日〜8月15日
<国内>         始 値     高 値       安 値       帳入値    前週比
 26年01月限      316.6      325.9(14)    313.1(15)     319.5    +  2.1
 RSS先限      318.0      320.0(13)   318.0(12)    318.0        0.0
 TSR20    250.0      250.0(12)    250.0(12)    250.0        0.0
 上海1月限   15750   16175(15)  15600(15)    16175     +  650
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東京外為市場 円相場(本日 15:15現在) 147.12円  前週末比 0.29 円高
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 【前週のレビュー】上値を追って買う材料が見当たらない一方で、下値を積極的に売
り込む材料もないことから、315〜325円前後でのレンジ相場が形成されると予想
した。
【レンジ相場継続も下放れの可能性が高い】
 JPXゴムRSS3号、活発限月の期中1月限は、概ね315〜325円前後でのレ
ンジ相場となっている。1月限は14日に325.9円まで上昇した。同水準で上値を
抑えられると、一転して売りが先行し、15日に一時313.1円まで軟化した。だ
が、すぐに買い拾われると315円超に戻した。現時点では、ファンダメンタルズ面に
おいて変化はなく、上値を追って買うような材料に乏しい一方、積極的に売り込むよう
な材料も見当たらない。目先、315〜325円前後のレンジ相場が続きそうだ。た
だ、産地価格が軟化を開始していることには注意したい。また、直近の株価上昇の修正
安の可能性に注意したい。レンジから放れるとすれば、現時点では、下放れの可能性が
高いとみる。
【中国小売売上高は予想を下回る低調】
 中国国家統計局が15日に発表した7月の中国小売売上高は、前年比3.7%増加と
なり、市場予想の4.5%増加、前月の4.8%増加をともに下回った。これにより、
年初来前年比は4.8%増加となり、前月まで5.0%増加から低下した。また、同時
に発表された7月の中国鉱工業生産は、前年比5.7%上昇となり、こちらも市場予想
の6.3%上昇、前月の6.8%上昇をともに下回った。中国景気の減速は、同国の不
動産バブル崩壊に端を発しているが、中国の7月の新築住宅価格は前月比0.3%下
落、年初来の不動産投資は前年同期比12.0%減少となっており、中国景気の回復に
はほど遠く、世界最大の天然ゴム市場である同国の経済の不振は、天然ゴム需要に影を
落としそうだ。
【上海ゴム1月限は1万5500元に注目】
 上海ゴムの中心限月の1月限は、上げ一服となっている。中心限月の1月限は、7月
28日から6営業日連続陰線となり、8月4日に1万5075元まで下落した。その
後、一目均衡表の雲の上限が支持となり、反発を開始すると、13日には1万5960
元まで水準を引き上げた。ただ、節目の1万6000元を前に戻り売りを浴び、14日
の夜間取引では、1万5585元まで一時下落した。目先、節目の1万5500元の攻
防に注目したい。同水準で支持されれば、再度、1万6000元を試すだろう。一方、
同水準を割り込むと、8月4日の安値1万5075元から13日の高値1万5960元
までの上昇の半値押し水準1万5520元も下抜くことになり、売り圧力が強まるとみ
る。
【東京ゴム活発限月の1月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の1月限は、もみ合いとなっている。7月中旬からの値動
きを確認すると、上海高などを背景に7月28日に334.6円まで上昇した。ただ、
同水準で上値が抑えられると、それまで上昇の反動から、売りが先行、8月4日には
311.6円まで下落。6日に324.9円まで戻したが、325円の手前では戻り売
りを浴び、7日には薄商いの中、305.3円まで急落、だが、すぐに戻すとその後は
315〜320前後で取引されている。
 売りが先行すれば節目の310円が最初の支持になる。同水準を割り込むと、7日の
安値305.3円や節目の300円を試しそうだ。一方、買い優勢となれば、14日の
高値の325.9円がポイントになりそうだ。同水準を突破すれば、節目の330円や
7月28日の高値334.6円を意識した展開になるとみる。
【今週の注目ポイント】
 株価に注目したい。ゴム独自の材料に乏しい中、株式市場の影響を受けやすい状況と
なっている。直近の日経平均株価をみると、史上最高値を更新するなど、上値追いとな
っている。ただ、15日に発表された4−6月期のGDP成長率が市場予想を上回るな
ど、利上げに対する現実味が高まりつつある。日銀の利上げに動くとの見方が強まれ
ば、株安から商品安に繋がる可能性が高い
【相場予想レンジ】
 8月18〜22日のJPXゴムRSS3号1月限の中心レンジ予想は305〜330
円前後。テクニカルの支持線は310円(節目)、抵抗線は325.9円(8月14日
高値)。
<当面の予定(イベント・経済統計)>
18日 ユーロ圏貿易収支 2025年6月(EUROSTAT)
    米週間穀物輸出検証高(USDA)
    米国産コーン・大豆作柄報告(USDA)
19日 ユーロ圏国際収支 2025年6月(ECB)
    米住宅着工・許可件数 2025年7月(商務省)
20日 機械受注 2025年6月(内閣府)
    貿易収支 2025年7月速報(財務省)
    ゴム指定倉庫在庫(大阪取引所)
    政策金利公表(NZ準備銀行)
    独生産者物価指数 2025年7月(連邦統計庁)
    英消費者物価指数 2025年7月(国立統計局)
    ユーロ圏消費者物価指数 2025年7月確報(EUROSTAT)
    米FOMC議事録公表 7月29-30日(FRB)
21日 ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2025年8月速報(Markit)
    ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2025年8月速報(Markit)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
    米製造業景況指数 2025年8月(フィラデルフィア連銀)
    米中古住宅販売統計 2025年7月(全米不動産協会)
    米週間穀物輸出成約高(USDA)
22日 消費者物価指数 2025年7月(総務省)
    上海ゴム指定倉庫在庫(上海期貨交易所)
    独国内総生産 2025年4-6月期確報(連邦統計庁)
    英小売売上高 2025年7月(国立統計局)
    建玉明細報告(CFTC)
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