きょうの為替市場、全体的に様子見ムードが強まる中、ドル円は緩やかな売りに押され、一時146円台に下落する場面が見られた。ただ、先ほど発表の米GDP改定値が上方修正されたことで、ドル円は147円台に買い戻されている。設備投資が大幅に上方修正されたことが要因。 東京時間に日銀の中川審議委員の発言が伝わっていたが、利上げ継続の姿勢を改めて示していた。委員は「経済と物価の見通しが実現すれば、日銀は利上げを続ける」と述べていた。中川委員は比較的ハト派と見られているが、これまでよりは若干タカ派な発言ではあった。 本日は日本の2年物の国債入札が実施されたが、不調な入札ではあった。ストラテジストからは、「投資家が年内の日銀の追加利上げを依然警戒していることを示している」との声も出ていた。 ただ、前日同様に全体な雰囲気に変化はない。短期金融市場では次回9月FOMCでの利下げの確率は84%程度で織り込んでいる。年内については9月を含めてあと2回か3回を織り込む動き。2回は完全に織り込み、3回は13%程度の確率。9月FOMCに関しては、それまでに発表になる米雇用統計や米消費者物価指数(CPI)待ちといった状況。また、FRBの独立性に対しても、変わらずに懸念材料となっている。 明日の7月のPCE価格指数を市場は注目。FRBが重要視しているインフレ指標だが、コア指数で前年比2.9%が見込まれている。前回6月分からさらに上昇。FRBは関税によるインフレに懸念を示しているが、今回7月分の上昇は、先日発表の米生産者物価指数(PPI)のデータから、サービス価格、とりわけポートフォリオ運用手数料など金融サービスが主因となる見通し。 なお、日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は観測されていない。 28日(木) なし 29日(金) 146.50(11.4億ドル) 147.50(8.1億ドル) MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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