【前週までのレビュー】1月限は、積極的に買い進む見当たらない一方、安値を売り込 むほどの材料もないことから、320円を中心としたレンジ相場が継続されるとした。 【売り優勢の展開へ】 JPXゴムRSS3号の活発限月2月限は、やや売りが先行している。2月限は、9 日に324.9円まで水準を引き上げ、315〜325円前後のレンジから上放れを試 したが、これに失敗。その後、一転して売りが先行し、12日には315円前後まで下 落している。 上海ゴムの中心限月1月限が、ダブルトップを形成する可能性が出てきたうえ、産地 価格もジリ安調で推移している。JPXゴムRSS3にとっては、弱材料が揃ってお り、315〜325円前後のレンジから下放れる可能性が高まっているとみる。 【産地価格は下値模索か】 産地価格がジリジリと水準を引き下げ、タイオファーは9日に69バーツを割り込 み、その後も安値圏で推移している。9月11日のタイ南部の天然ゴム主要積み出し港 のソンクラ渡しのオファー価格は、前営業日比0.03バーツ安の68.41バーツが 提示されている。タイオファーは、6月6日以降、72〜73バーツ台を中心として値 動きが続いていたが、8月1日に71バーツ台に下落すると、8月中は70〜71バー ツ台での取引となった。だが、9月1日に69.54バーツが提示され、8月のレンジ から下放れると、9日には68バーツ台に下落した。 気象庁が10日に発表したエルニーニョ監視速報によると、「今後、冬の初めにかけ て一時的にラニーニャ現象に近い状態となるが、長く続かない。このため、ラニーニャ 現象の発生には至らず、冬にかけて平常の状態が続く可能性が高い」としており、今年 の産地天候は、異常気象の発生はないとみられる。天然ゴムは、10月ころから増産期 に入るが、今年の生産は順調に推移しそうだ。産地相場は一段安の可能性がある。 【上海ゴムはダブルトップを形成か】 上海ゴムの中心限月の1月限は、目先、軟調に推移する可能性がある。1月限は、7 月28日に1万6425元まで上昇後、同日から6営業日連続陰線となり、8月4日に は1万5075元まで下落した。その後、一目均衡表の雲の上限が支持となり、ジリジ リと水準を引き上げ、9月5日には1万6370元まで上昇した。だが、同水準で戻り 売りを浴びると、11日には1万5790元まで一時下落。チャート的には、7月28 日の高値1万6425元と5日の高値1万6370元でダブルトップが形成されつつあ る。ネックラインは、8月4日の安値1万5075元と現水準からやや遠いが、目先、 同水準を目指した下げ局面になる可能性がある。 【東京ゴム活発限月の2月限のテクニカル要因】 ゴムRSS3号の活発限月の2月限は、レンジ内で軟調な展開になっている。8月に 入ってからの値動きを確認すると、概ね315〜325円前後でのレンジ相場となって いる。9月1日に314.0円まで下落し、レンジから下放れるかと見られたが、その 後は地合いを引き引き締め、レンジに逆戻り。9日には324.9円まで水準を引き上 げ、レンジからの上放れを試した。だが、これに失敗すると、12日には314.7円 まで軟化した。 売りが先行すれば9月1日の安値314.0円が最初の関門。同水準を割り込むと、 節目の310.0円や305.0円がターゲットになる。一方、買い優勢となれば、7 月28日の高値の325.7円がポイントになる。同水準を突破すれば、節目の330 円や7月23日に付けた一代の高値331.0円を意識した展開になるとみる。 【今週の注目ポイント】 引き続き、上海ゴムに注目したい。中心限月の1月限は、ダブルトップを形成しつつ ある。目先、1万5000元付近まで軟化する可能性があるとみる。 【相場予想レンジ】 9月15〜19日のJPXゴムRSS3号1月限の中心レンジ予想は305〜330 円前後。テクニカルの支持線は314円(9月1日安値)、抵抗線は324.9円(9 月9日高値)。 MINKABU PRESS ※投資や売買は御自身の判断でお願いします。
みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。