ゴム週間見通し=レンジが下方移動、ただし短期の自律反発に注意

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週までのレビュー】上海ゴムの中心限月1月限が、ダブルトップを形成する兆しが
あったうえ、産地価格もジリ安調で推移していることから、JPXゴムRSS3の活発
限月の2月限は、315〜325円前後のレンジから下放れる可能性が高まっていると
みた。
【レンジから下放れ】
 JPXゴムRSS3号の活発限月2月限は、315〜325円前後のレンジから下放
れた。19日には306.3円まで下落した。目先、305〜315円前後でのレンジ
相場を形成しそうだ。ただ、9月9日からの18日までの7営業日で陽線が1本しかな
く、売られ過ぎ感がある。短期的な自律反発には注意したい。なお、産地価格もジリ安
調で推移している。今年は産地の天候も安定していることから、10月、11月に一段
安となる可能性がある。
【中国景気は減速】
 15日に中国国家統計局から発表された8月の中国小売売上高は、前年同月比3.
4%となり、市場予想の3.8%を下回ったうえ、前月の3.7%からも鈍化した。ま
た、同時に発表された8月の鉱工業生産も市場予想の5.6%上昇を下回る同5.2%
上昇となったうえ、伸び率も前月の5.7%上昇から低下した。
 中国は依然として不動産不況を背景とした景気の減速に陥っている。1〜8月の不動
産開発投資が前年同期比12.9%減少となっており、中国景気の回復にはまだ時間が
掛かりそうだ。
【上海ゴムは下値模索か】
 上海ゴムの中心限月の1月限は、目先、軟調に推移する可能性がある。1月限は、7
月28日に1万6425元まで上昇後、同日から6営業日連続陰線となり、8月4日に
は1万5075元まで下落した。その後、一目均衡表の雲の上限が支持となり、ジリジ
リと水準を引き上げ、9月5日には1万6370元まで上昇した。だが、同水準で戻り
売りを浴びると、18日には1万5450元まで一時下落。チャート的には、7月28
日の高値1万6425元と5日の高値1万6370元でダブルトップが形成されつつあ
る。ネックラインの8月4日の安値1万5075元が視野に入ってきた。同水準を割り
込むと、節目の1万4500下を目指した下げ局面になる可能性がある。
【東京ゴム活発限月の2月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の2月限は、レンジから下放れとなった。8月に入ってか
らの値動きを確認すると、概ね315〜325円前後でのレンジ相場となっていた。9
月18日、上海安を手掛かりに売りが先行し、307.0円まで下落、翌19日には
306.3円まで一時水準を引き下げた。目先、305.0〜315.0円前後のレン
ジを形成しそうだ。
 売りが先行すれば、節目の305.0が最初の関門となる。同水準を割り込むと、節
目の300.0円や295.0円がターゲットになる。一方、買い優勢となれば320
円台回復が最初の関門。これに成功すれば、16日の高値322.8円や7月28日の
高値の325.7円を目指すことになる。
【今週の注目ポイント】
 引き続き、上海ゴムに注目したい。中心限月の1月限は、ダブルトップを形成しつつ
ある。
 ポイントは、節目の1万5000元であり、同水準を割り込むと、6月24日の安値
1万4510元を目指す可能性がある。
【相場予想レンジ】
 9月22〜26日のJPXゴムRSS3号1月限の中心レンジ予想は295〜320
円前後。テクニカルの支持線は305円(節目)、抵抗線は315.0円(節目)。
     ※投資や売買は御自身の判断でお願いします。



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