株価指数先物【引け後】 ETF売却決定をトリガーにショートが強まる

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪12月限
日経225先物 44730 -490 (-1.08%)
TOPIX先物 3118.0 -25.5 (-0.81%)

 日経225先物(12月限)は前日比490円安の4万4730円で取引を終了。寄り付きは4万5620円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万5595円)にサヤ寄せする形から、買いが先行して始まった。直後に4万5660円まで買われたが、買い一巡後は前場中盤にかけて、4万5350円まで上げ幅を縮めた。ただし、押し目待ち狙いの買い意欲は強く、前場終盤にかけては4万5360円~4万5560円辺りでのレンジで推移しており、日銀の金融政策決定会合の結果待ちのなかで膠着感が強まった。

 その後、日銀会合の結果が伝わり、市場の予想通り政策金利が据え置かれた。ただ、保有するETF(上場投資信託)について年間3300億円程度ずつ売却し、Jリート(上場不動産投資信託)も年間50億円程度ずつ売却すると決めた。これがトリガーとなり、ショートの動きが加速。後場に入り一気に4万4250円まで急落する場面もみられた。ただ、売り一巡後は押し目待ち狙いのロングやショートカバーから下げ幅を縮めており、終盤にかけては4万4700円から4万4950円辺りでの推移となった。

 日銀会合での波乱展開は想定していなかったこともあり、ETFの売却決定を受けたショートによって、ヘッジ対応の動きも入ったとみられる。ただし、ボリンジャーバンドの+1σ(4万4130円)接近ではカバーに向かわせていた。+2σ(4万5100円)を割り込んだことで+1σとのレンジが意識されることになろうが、バンドは上向きで推移していることもあり、+1σ接近では押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。

 また、上げ幅を縮めたものの、アドバンテスト<6857>[東証P]やソフトバンクグループ<9984>[東証P]、東京エレクトロン<8035>[東証P]などへの物色は継続。さらに、レーザーテック<6920>[東証P]など出遅れ感のある半導体関連株に物色が広がりをみせてきている。本日の荒い値動きでショートが入りやすくなっただろうが、半導体やAI関連物色は根強いことから、短期的なトレードになろう。

 NT倍率は先物中心限月で14.34倍に低下した。一時14.47倍まで上昇する場面もみられ、1月高値の14.54倍に接近した。ただし、日銀会合の結果判明後にリバランスの動きが強まり、14.23倍まで下げる場面もみられた。なお、日銀会合で政策委員のうち2人が利上げを主張したとして、追加利上げのタイミングは近いとの観測から長期金利が上昇。金利上昇を手掛かりに金融株の一角には物色の矛先が向かっていたことで、リバランスの動きが今後強まるかを見極めたいところである。

 手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が3万3203枚、ソシエテジェネラル証券が2万8059枚、サスケハナ・ホンコンが6884枚、SBI証券が5462枚、JPモルガン証券が5289枚、バークレイズ証券が4316枚、ゴールドマン証券が3175枚、モルガンMUFG証券が3172枚、野村証券が2880枚、日産証券が2578枚だった。

 TOPIX先物はABNクリアリン証券が4万3408枚、ソシエテジェネラル証券が4万1853枚、バークレイズ証券が1万1009枚、JPモルガン証券が7068枚、ゴールドマン証券が6310枚、モルガンMUFG証券が5596枚、ビーオブエー証券が4611枚、サスケハナ・ホンコンが4393枚、シティグループ証券が3895枚、BNPパリバ証券が2886枚だった。

株探ニュース

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