株価指数先物 【週間展望】―4万5000円を挟んだレンジで推移

配信元:株探
著者:Kabutan
 今週の日経225先物は、4万5000円を挟んだレンジでの推移が見込まれる。先週は米連邦公開市場委員会(FOMC)が16~17日に開いた会合で予想通り0.25%の利下げを決定し、年内あと2回の会合で0.25%ずつの利下げを示唆した。FOMCを波乱なく消化したことが安心材料となり、18日には4万5000円を上回って終え、19日には4万5660円まで上げ幅を広げる場面もみられた。

 一方、19日の日銀の金融政策決定会合では予想通り政策金利が据え置かれたものの、保有するETF(上場投資信託)を簿価で年間3300億円程度、J-REIT(上場不動産投資信託)を年間50億円程度ずつ売却すると決めた。これがトリガーとなってショートが入り、一気に4万4250円まで急落。終盤にかけてカバーが入り4万4730円まで下げ幅を縮めて終えた。

 今週は23日(火)が秋分の日で祝日となる。先物市場は祝日取引が行われるが、現物市場は休みになるため、月曜日は積極的な売買が手控えられ、祝日後の実質3営業日の取引になりそうだ。足もとではアドバンテスト<6857>[東証P]やソフトバンクグループ<9984>[東証P]などへの資金流入が日経平均株価を押し上げていたが、東京エレクトロン<8035>[東証P]やレーザーテック<6920>[東証P]など出遅れ感のある銘柄へも物色が広がり、半導体や人工知能(AI)関連株への一極集中となった。

 ただし、日銀の決定会合では2名の審議委員が0.75%への利上げを主張したことで長期金利が上昇し、週末には三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]など金融株に資金がシフトする動きもみられていた。ハイテク株物色の持続性を見極めつつ、資金シフトが起きるかを確認することになろう。ハイテク株がいったん利益確定に向かうようだと、日経225先物は戻り待ち狙いのショートを誘う可能性がある。

 日経225先物は、週末の乱高下で1470円幅の変動をみせた。ボリンジャーバンドの+3σに接近した後の急落で+1σ水準まで下げる場面もあった。19日の取引開始後のナイトセッションは4万5050円と4万5000円を回復して終えているが、+2σ(4万5310円)に接近する局面ではショートが入りやすいだろう。同バンドを上抜けてくれば、4万6240円辺りに位置する+3σが射程に入る。一方で4万5000円処で戻りの鈍さがみられるようだと、+1σが位置する4万4270円辺りが意識されてきそうだ。

 先週末の荒い値動きで短期的なショートカバーは一巡しているとみられるが、ボラティリティの高まりを受けてレバレッジ型ETFによるヘッジ対応の動きなども警戒されてくる可能性がある。日銀のETF売却については市場が吸収できない規模ではなく、動揺は一時的とみられるが、投資家心理を神経質にさせる要因となる。

 国内要因では22日に自民党総裁選挙が告示され、10月4日投開票となる。各候補の財政政策や成長戦略に市場の関心が集まるとみられ、ショートを仕掛けにくくさせよう。そのため、まずは+1σと+2σのレンジとなる、オプション権利行使価格の4万4250円から4万5250円のレンジを想定。4万5000円を固めて+2σとのレンジが意識されてくる局面では、先週末につけた日中高値の4万5660円が射程に入ってくる展開を想定しておきたい。

 また、週足では上向きで推移する+1σ(4万3460円)と+2σ(4万5250円)のレンジでの値動きを続けており、19日には+2σを上回る場面もあった。今週は+1σが4万3990円、+2σは4万5900円に位置しているため、大きな変動をみせるようだと、4万5000円を中心とした4万4000円から4万6000円のレンジとなろう。日足、週足ともにバンドは上向きで推移していることもあり、短期的なショートを仕掛けつつも、基本は押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。

 19日の米VIX指数は15.45(18日は15.70)に低下した。週間(12日は14.79)では上昇となった。先週は抵抗線として意識されていた25日移動平均線を上回って始まり、17日には一時16.75と75日線(16.57)を上回る場面もあった。18日には14.38まで下げて25日線(15.39)を割り込む場面もみられるなど、ボトム圏での推移ではあるが、やや変動幅が大きくなってきている点は神経質にさせそうである。

 週末のNT倍率は先物中心限月で14.34倍に低下した。週間(12日は14.18倍)では上昇した。3日につけた13.75倍から上昇基調を強めており、19日には一時14.47倍まで上げ幅を広げ、1月高値の14.54倍に接近した。ただし、日銀会合の結果判明後にリバランスが強まり、14.23倍まで下げて+2σ(14.32倍)を割り込む場面もあった。+2σと+3σによるレンジで上昇をみせているが、物色対象の変化が意識されるなか、+2σを明確に割り込んでくると、リバランスが強まる可能性がある。

 9月第2週(9月8日-12日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりの売り越しであり、売り越し額は843億円(9月第1週は1249億円の買い越し)だった。なお、現物は6923億円の売り越し(同1314億円の買い越し)と2週ぶりの売り越し。先物は6080億円の買い越し(同64億円の売り越し)と3週ぶりの買い越しだった。個人は現物と先物の合算で5071億円の売り越しと4週ぶりの売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で4046億円の売り越しとなり、11週連続の売り越しだった。

 主要スケジュールでは、9月22日に自民党総裁選告示、23日に自民党総裁選候補の共同記者会見・公開討論会、米国4-6月期経常収支、パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長講演、24日に自民党総裁選演説会(東京都内)、米国8月新築住宅販売件数、25日に日銀金融政策決定会合議事要旨(7月30・31日開催分)、米国8月中古住宅販売件数、26日に米国8月個人所得、米国8月個人消費支出などが予定されている。

――プレイバック・マーケット――

●SQ値
10月限 日経225 39701.93  TOPIX  2721.72
11月限 日経225 39901.35  TOPIX  2765.26
12月限 日経225 39434.85  TOPIX  2738.68
01月限 日経225 39343.19  TOPIX  2726.70
02月限 日経225 39432.64  TOPIX  2775.06
02月限 日経225 39432.64  TOPIX  2775.06
03月限 日経225 36483.79  TOPIX  2684.98
04月限 日経225 32737.29  TOPIX  2418.70
05月限 日経225 37572.13  TOPIX  2733.00
06月限 日経225 38172.67  TOPIX  2776.06
07月限 日経225 40004.61  TOPIX  2830.46
08月限 日経225 41368.58  TOPIX  3004.82
09月限 日経225 45016.28  TOPIX  3175.61

◆日経225先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
25/12 09月19日  45260  45720  44250  44730  -490
25/12 09月18日  44660  45270  44350  45220  +610
25/12 09月17日  44590  44790  44370  44610  -30
25/12 09月16日  44430  44830  44320  44640  +160

◇TOPIX先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
25/12 09月19日  3148.0  3168.0  3100.0  3118.0  -25.5
25/12 09月18日  3125.0  3145.0  3111.5  3143.5  +18.5
25/12 09月17日  3140.0  3143.5  3108.0  3125.0  -20.0
25/12 09月16日  3131.0  3157.5  3126.5  3145.0  +9.5

●シカゴ日経平均 円建て
          清算値  前日大阪比
09月19日(12月限) 45005 +275
09月18日(12月限) 45595 +375
09月17日(12月限) 44575 -35
09月16日(12月限) 44505 -135
09月15日(12月限) 44635 +155
 ※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
        売り   前週末比   買い      前週末比
09月12日    731億円 -3021億円  2兆1178億円  -239億円
09月05日    3753億円 +3230億円  2兆1417億円  -96億円
08月29日    523億円  +228億円  2兆1513億円  +238億円
08月22日    294億円  -596億円  2兆1275億円  -2億円
08月15日    891億円  -293億円  2兆1277億円  +3618億円
08月08日    1185億円  +370億円  1兆7658億円  +3508億円
08月01日    814億円  -103億円  1兆4149億円  -1366億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
        売り      前日比  買い       前日比
09月17日    2643万株    +70万株  9億5122万株   +2609万株
09月16日    2573万株   +796万株  9億2513万株   +3941万株
09月12日    1776万株   -8910万株  8億8571万株   +676万株
09月11日  1億0687万株   +508万株  8億7895万株   +6466万株
09月10日  1億0178万株   -1369万株  8億1428万株   -943万株
09月09日  1億1548万株   +248万株  8億2371万株   -3586万株
09月08日  1億1299万株   +1533万株  8億5958万株   -3072万株
09月05日    9766万株   -196万株  8億9030万株   -3361万株
09月04日    9963万株   +130万株  9億2391万株   +757万株
09月03日    9832万株   +6382万株  9億1634万株   -464万株
09月02日    3450万株   +304万株  9億2099万株   +173万株
09月01日    3145万株   +1559万株  9億1925万株   -1613万株
08月29日    1586万株   +108万株  9億3538万株   -1726万株
08月28日    1477万株    -27万株  9億5264万株   +5174万株
08月27日    1505万株    -17万株  9億0089万株   +994万株
08月26日    1522万株   +509万株  8億9094万株   +149万株
08月25日    1013万株   -0.8万株  8億8945万株   -2241万株

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