●配当金 ○2025年8月の配当支払額は前年同月比0.9%減となりました。7月は同2.2%増、6月は同12.8%増、5月は同0.02%増、4月は同9.5%増、3月は24.8%増、2月は同8.2%減、1月は同12.5%増でした。年初来では前年同期比で5.2%増となっています。2024年通年の配当支払額は前年比6.44%増でした(2023年は同5.05%増、2022年は同10.81%増)。 ⇒8月の配当支払い金は1株当たり7.58ドルと、前年同月の7.65ドルを下回りました。 ⇒2025年初来の配当支払い金は前年同期の1株当たり48.67ドルを上回る51.22ドルとなりました。 ⇒2025年8月までの12ヵ月間の配当支払い金は1株当たり77.38ドルと、2024年8月までの12ヵ月間の71.89ドルを上回りました。 →2024年通年の配当支払い金も、前年の1株当たり70.30ドルから74.83ドルに増加し、過去最高を更新しています。 ⇒2025年8月は、増配が18件、配当開始が0件、減配が1件で、配当停止が0件でした。2024年8月は、増配が21件、配当開始が0件で、減配が1件、配当停止が2件でした。年初来では、増配が249件、配当開始が4件、減配が6件、配当停止が1件となっています。 →2024年は、増配が342件、配当開始が8件、減配が15件、配当停止が2件でした。 →2023年は、増配が348件、配当開始が11件、減配が26件、配当停止が4件でした。 →2022年は、増配が377件、配当開始が7件、減配が5件、配当停止が0件でした。 ○8月の増配率の中央値は7月の6.38%から5.06%に低下し(6月は5.34%、5月は4.98%、4月は4.96%、3月は4.71%、2月は6.67%、1月は5.73%)、年初来では5.88%となっています。2024年通年では6.25%でした。8月の平均増配率は7月の7.82%から7.20%に低下し(6月は8.17%、5月は7.27%、4月は7.62%、3月は7.98%、2月は8.75%、1月は7.97%)、年初来では8.14%となっています。2024年通年の平均値は8.31%(いずれも2倍以上になった銘柄は除く)でした。2023年の年間の増配率の中央値は7.01%(2022年と2021年はともに8.33%)、平均値は8.68%(同11.80%、同11.76%)でした。 ○2024年通年の配当支払い額は前年比6.44%増加しました。これにより、S&P500指数 の株主への実際の年間の現金配当は15年連続で増加し、13年連続で過去最高を更新しました。 ○2025年に関して: ⇒配当の伸びは持続し、従来期待されていた水準は大幅に下回っているものの、経済の不確実性を踏まえれば予想並みとなっています。現時点で、不確実性は配当の伸びに歯止めをかけていない模様ですが、伸び率を抑制しているようです。企業の将来に対するコミットメントの度合いは消極的になっているようです。 ⇒世界の政府の政策を巡る現在の不確実性の度合いに加えて雇用とインフレを巡る個人の懸念を踏まえると、企業は引き続き進展する様々な変化を評価し、これが生産、設備投資、雇用、あるいは配当であれ、将来に対するコミットメントの縮小につながる可能性があります。 ⇒政府の行動と交渉におけるスピードを踏まえると、企業が様子見のアプローチを継続することで、配当の伸びは抑制される可能性があります。ただし、今年の夏までに政府間・国際間のハイレベルでの解決策が見出されるとの基本シナリオを想定すると(ただし、なお多くの具体的内容には欠ける見込み)、2025年下半期の配当の伸びは過去平均を上回るかもしれません。配当の伸びを後押しする材料として、FRBによる銀行のストレステストが成功裏に終わったことで(2025年6月27日に結果が発表され、22行全行が合格)、大手銀行は増配を発表しています。2025年通期のS&P500指数の配当支払額は6%の伸びが予想されます。これは2025年に入る前の時点の8%の予想値から低下していますが、年間の配当支払額は過去最高を更新する見通しです。対して、2024年は前年比6.4%増、2023年は同5.1%増、2022年は同10.8増%でした。 ●インデックス・レビュー S&P 500指数 2025年8月にS&P500指数は1.91%上昇しました(7月は2.17%上昇、6月は4.96%上昇)。11セクターのうち9セクターが上昇となり(7月は6セクター)、337銘柄が値上がりし、166銘柄が値下がりしました(同279銘柄と222銘柄)。パフォーマンスが最高となったのは素材で、8月は5.59%上昇し、年初来では10.27%上昇となりました。パフォーマンスが最低だったのは公益事業で2.03%下落しましたが、年初来では10.73%上昇しています。年初来で見ると、S&P500指数は9.84%(配当込みのトータルリターンはプラス10.79%)の上昇で11セクター中10セクターがプラス圏となり、値上がり銘柄数が310銘柄、値下がり銘柄数は193銘柄となりました。セクター別では、年初来パフォーマンスが最高となったのはコミュニケーションサービスで17.21%上昇し、ヘルスケアが0.41%下落して最低となっています。S&P500指数の8月のトータルリターンの2.03%はマグニフィセント・セブンを除くと、プラス1.54%になります。また、2025年4月8日の直近安値からのプラス30.31%の大幅なトータルリターンは、これら7銘柄を除くとプラス16.33%となります。また、インデックスの年初来のプラス10.79%のトータルリターンは7銘柄を除いた場合、3.71%となります。 8月に、S&P500指数は1.91%上昇しました(配当込みのトータルリターンはプラス2.03%)。7月は2.17%の上昇(同プラス2.24%)6月は4.96%の力強い上昇(同プラス5.09%)5月は6.15%上昇(同プラス6.29%)、4月は0.76%下落(同マイナス0.68%)、3月は5.75%下落(同マイナス5.63%)、2月は1.42%下落(同マイナス1.30%)、1月は2.70%の上昇でした(同プラス2.78%)。S&P500指数は過去3ヵ月間に9.28%上昇しました(同プラス9.62%)。年初来では9.84%上昇(同プラス10.79%)、8月までの過去12ヵ月間では14.37%上昇しています(同プラス15.88%)。2024年通年では23.31%上昇(同プラス25.02%)、2023年は24.23%上昇(同プラス26.29%)、2022年は19.44%下落(同マイナス18.11%)でした。より長期で見ると、S&P500指数は過去3年、5年、10年の期間でそれぞれ63.34%、84.56%、227.57%上昇しており、配当込みの年率トータルリターンはそれぞれプラス19.54%、プラス14.74%、プラス14.60%となっています(3つの数値とも本レポートで報告されているインデックスの中で最高)。 8月の日中ボラティリティ(日中の値幅を安値で除して算出)は7月と同様に0.63%となりました(6月は0.83%、5月は1.09%、4月は3.21%、3月は1.71%、2月は1.09%、1月は0.91%)。年初来では1.45%となっています。2024年通年は0.91%で、2023年は1.04%、2022年は1.83%、2021年は0.97%、2020年は1.51%でした(長期平均は1.41%)。8月の出来高は、7月に前月比3%減少した後に、同9%減少し(営業日数調整後)、前年同月比では28%の増加となりました。8月までの過去12ヵ月間では前年同期比21%増加しました。2024年通年では前年比2%減、2023年は同1%減、2022年は同6%増でした。 8月は1%以上変動した日数は21営業日中4日(上昇が3日、下落が1日)でした。7月は22営業日中0日でした。年初来では、1%以上変動した日数が165営業日中43日で(上昇が21日、下落が22日)、12日で2%以上変動しました(上昇が6日、下落が6日)。2024年通年では、1%以上変動した日数は50日(上昇が31日、下落が19日)で、2%以上変動した日数は7日(上昇が3日、下落が4日)でした。8月は21営業日中4日で日中の変動率が1%以上となり、2%以上変動した日はありませんでした。対して7月は22営業日中2日で日中の変動率は1%以上となり、2%以上変動した日はありませんでした。年初来では、1%以上の変動が83日、2%以上の変動が22日、3%以上の変動が7日となっています。2024年通年では1%以上の変動が83日、2%以上の変動が11日、2023年は1%以上の変動が113日、2%以上の変動が13日でした。 8月は値上がり銘柄数が増加し、337銘柄が値上がりしました(平均上昇率は6.48%)。7月は279銘柄が値上がりしました(同6.78%)。8月に10%以上上昇した銘柄数は67銘柄(同14.56%)で、7月の55銘柄(同17.12%)から増加し、1銘柄が25%以上上昇(同25.16%上昇)しました(7月は4銘柄で、同30.05%上昇)。一方、値下がり銘柄数を見ると、8月は166銘柄が値下がりしました(平均下落率は4.93%)。7月は222銘柄が値下がりしました(同6.63%)。8月に10%以上下落した銘柄数は18銘柄(同16.51%)で、7月の36銘柄(同18.33%)から減少し、3銘柄(7月は6銘柄)が25%以上下落しました。年初来では、値上がり銘柄数は310銘柄で(平均上昇率は19.18%)、221銘柄が10%以上上昇し(同24.82%)、81銘柄が25%以上上昇しました(同39.74%)。一方、値下がり銘柄数は193銘柄で(平均下落率は12.64%)、89銘柄が10%以上下落し(同22.09%)、22銘柄が25%以上下落しました(同36.47%)。2024年通年では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を大幅に上回り、値上がり銘柄数が332銘柄(平均上昇率は28.17%)、値下がり銘柄数が169銘柄(平均下落率は16.07%)でした。 [執筆者] ハワード・シルバーブラット S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス シニア・インデックス・アナリスト ※このレポートは、英文原本から参照用の目的でS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(SPDJI)が作成したものです。SPDJIは、翻訳が正確かつ完全であるよう努めましたが、その正確性ないし完全性につきこれを保証し表明するものではありません。英文原本についてはサイトをご参照ください。 [免責事項] 著作権(C) 2025年 S&Pグローバルの一部門であるS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLC。不許複製、Standard & Poor's、S&P、S&P 500、は、S&Pの一部門であるスタンダード・アンド・プアーズ・フィナンシャル・サービシーズLLC(以下「S&P」)の登録商標です。LATIXX、MEXICO TITANS及びSPCIは、S&Pグローバル一部門であるスタンダード・アンド・プアーズ・フィナンシャル・サービシーズLLC(以下「S&P」)の商標です。「ダウ・ジョーンズ」は、ダウ・ジョーンズ・トレードマーク・ホールディングズLLC(以下「ダウ・ジョーンズ」)の登録商標です。商標は、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLCにライセンス供与されています。本資料の全体または一部の再配布、複製、そして(または)複写を書面による承諾なしに行うことを禁じます。 株探ニュース
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