今週の日経225先物は、一進一退の相場展開が見込まれる。先週は24日に4万5660円まで買われる場面もみられたが、過度な米利下げ期待の後退や米株安、トランプ米大統領の発言、配当権利付き最終日を迎えた需給要因などによって、週末26日は4万5050円と安値で終えた。 26日の取引終了後のナイトセッションでは4万4920円と節目の4万5000円を割り込む場面もあったが、同水準での底堅さが意識されそうである。足もとでは上向きで推移するボリンジャーバンドの+2σ(4万6140円)に沿ったトレンドを形成していたが、先週の調整で同バンドから下放れて、ナイトセッションで+1σ(4万4880円)に接近してきた。そのため、いったんはリバウンドが入りやすいタイミングであろう。 26日の米国市場では、主要な株価指数が4日ぶりに上昇した。8月の米個人消費支出(PCE)統計で、食品とエネルギーを除くPCEコア価格指数が予想通りだったことで、改めて追加利下げ期待が継続するとの見方に向かわせたようだ。9月のミシガン大消費者態度指数(確報値)や期待インフレ率が予想を下回ったことも材料視されている。 日経225先物は+1σ水準までの調整を経たことや米株高の流れもあり、週初はリバウンド狙いのロングが入りやすいとみられる。ただし、トランプ大統領の関税等に関する発言が活発化してきたことが懸念されそうだ。先週末には「トランプ大統領が海外製半導体への依存度を下げるため、半導体の輸入縮小計画を検討」と伝わり、アドバンテスト<6857>[東証P]や東京エレクトロン<8035>[東証P]、ソフトバンクグループ<9984>[東証P]などへの売りを誘い、相対的に日経平均型の弱さにつながっていた。 また、トランプ大統領はウクライナのゼレンスキー大統領に対し、米国製の長距離兵器によるロシア国内への攻撃制限を解除する用意があると伝えたと報じられている。トランプ大統領がノーベル平和賞を熱望していると報じられるなかで、地政学リスクが高まる可能性も市場を神経質にさせそうである。 そのほか、米国では週末に9月の雇用統計の発表が予定されている。経済指標の結果を受けて米連邦準備理事会(FRB)による追加利下げ期待が再び後退することも考えられ、ポジションを傾けにくくさせそうだ。10月から始まる2026会計年度の予算が成立しておらず、政府機関の一部閉鎖懸念が高まっていることも重荷になろう。 一方で、国内では10月4日に投開票される自民党総裁選に向けて、財政政策への期待を背景に押し目待ち狙いの買い意欲は強そうだ。ただし、メディアの報道には積極財政政策には懐疑的な見方もあり、次期政権が石破政権の政策を継承する形になると、市場の失望を誘うことも考えられるため、上値追いのロングは限られそうだ。 そのため、+1σ水準を支持線としたリバウンドから、オプション権利行使価格の4万5000円から4万5500円のレンジでの推移を想定する。4万5500円を捉えることができれば、19日につけた4万5720円を射程に入れた、4万5500円から4万5750円のレンジにシフトしそうだ。 一方で、4万5000円を割り込む局面ではショートを誘うことが想定され、週足の+1σが位置する4万4440円辺りを試してくる可能性がある。もっとも、総裁選を控えてショートに傾けたポジションは考えにくく、4万5000円固めを意識しつつ、同水準では押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。 また、先週後半は配当権利取りの動きはあったものの、ハイテク株の下げが影響していた。需給イベント通過で再び半導体や人工知能(AI)関連株への買いが勢いを取り戻せるかを見極める必要がある。ハイテク株の調整が続くようであれば、戻り待ち狙いのショートが入りやすいとみておきたい。 26日の米VIX指数は15.29(25日は16.74)に低下した。週間(19日は15.45)でも下落となった。先週は予想を上回る経済指標が相次ぐなかで追加利下げ期待が後退し、26日には一時17.74まで上昇し、抵抗線として意識されていた75日移動平均線を上回る場面もあった。上へのトレンドが強まりやすいところであったが、週末には利下げ期待が改めて意識されたことで大きく低下し、75日線および25日線(15.56)を下回ってきた。週末の雇用統計やトランプ大統領発言などが警戒されて不安定な動きを続けそうだが、ひとまずリスク選好に傾きやすいだろう。 先週末のNT倍率は先物中心限月で14.28倍に低下した。週間(19日は14.34)でも下落となった。14.35~14.45倍での推移を続けていたが、週末は権利付き最終日による需給面の影響で相対的にTOPIX型優位になった。+1σ(14.26倍)までの低下を経て、今週はリバランスの動きが入るかが注目されよう。ただし、同バンドを明確に下抜けてくると、NTショートによるスプレッド狙いに向かわせる可能性も考えられるため、見極めが必要である。 9月第3週(9月16日-19日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりの買い越しであり、買い越し額は2611億円(9月第2週は843億円の売り越し)だった。なお、現物は2943億円の売り越し(同6923億円の売り越し)と2週連続の売り越し。先物は5555億円の買い越し(同6080億円の買い越し)と2週連続の買い越しだった。個人は現物と先物の合算で98億円の買い越しと2週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で5562億円の売り越しとなり、12週連続の売り越しだった。 主要スケジュールでは、9月29日に7月景気動向指数改定値、米国8月中古住宅販売成約指数、30日に日銀金融政策決定会合の主な意見、8月鉱工業生産、中国9月製造業PMI、米国9月コンファレンスボード消費者信頼感指数、10月1日に日銀短観、米国9月ADP雇用統計、米国9月ISM製造業景気指数、2日に9月消費動向調査、米国8月製造業新規受注、3日に8月完全失業率、植田和男日銀総裁が大阪経済4団体共催懇談会で挨拶、植田日銀総裁記者会見、米国9月雇用統計、米国9月ISM非製造業景気指数などが予定されている。 ――プレイバック・マーケット―― ●SQ値 10月限 日経225 39701.93 TOPIX 2721.72 11月限 日経225 39901.35 TOPIX 2765.26 12月限 日経225 39434.85 TOPIX 2738.68 01月限 日経225 39343.19 TOPIX 2726.70 02月限 日経225 39432.64 TOPIX 2775.06 02月限 日経225 39432.64 TOPIX 2775.06 03月限 日経225 36483.79 TOPIX 2684.98 04月限 日経225 32737.29 TOPIX 2418.70 05月限 日経225 37572.13 TOPIX 2733.00 06月限 日経225 38172.67 TOPIX 2776.06 07月限 日経225 40004.61 TOPIX 2830.46 08月限 日経225 41368.58 TOPIX 3004.82 09月限 日経225 45016.28 TOPIX 3175.61 ◆日経225先物(日足) 始値 高値 安値 清算値 前日比 25/12 09月26日 45460 45520 45020 45050 -410 25/12 09月25日 45470 45600 45260 45460 +40 25/12 09月24日 45240 45660 44970 45420 +100 25/12 09月22日 44830 45540 44830 45320 +590 ◇TOPIX先物(日足) 始値 高値 安値 清算値 前日比 25/12 09月26日 3156.5 3181.5 3140.0 3153.0 -3.5 25/12 09月25日 3149.0 3167.5 3146.5 3156.5 +10.0 25/12 09月24日 3135.0 3157.0 3121.5 3146.5 +7.0 25/12 09月22日 3122.0 3155.0 3122.0 3139.5 +21.5 ●シカゴ日経平均 円建て 清算値 前日大阪比 09月26日(12月限) 45130 +80 09月25日(12月限) 45375 -85 09月24日(12月限) 45375 -45 09月23日(12月限) 45305 -15 09月22日(12月限) 45475 +155 ※前日比は大阪取引所終値比 □裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額) 売り 前週末比 買い 前週末比 09月19日 942億円 +211億円 2兆3944億円 +2765億円 09月12日 731億円 -3021億円 2兆1178億円 -239億円 09月05日 3753億円 +3230億円 2兆1417億円 -96億円 08月29日 523億円 +228億円 2兆1513億円 +238億円 08月22日 294億円 -596億円 2兆1275億円 -2億円 08月15日 891億円 -293億円 2兆1277億円 +3618億円 08月08日 1185億円 +370億円 1兆7658億円 +3508億円 □裁定取引に係る現物ポジション(株数) 売り 前日比 買い 前日比 09月24日 1423万株 -884万株 10億0729万株 -1703万株 09月22日 2308万株 +29万株 10億2433万株 +1472万株 09月19日 2279万株 -108万株 10億0960万株 +3692万株 09月18日 2387万株 -256万株 9億7268万株 +2146万株 09月17日 2643万株 +70万株 9億5122万株 +2609万株 09月16日 2573万株 +796万株 9億2513万株 +3941万株 09月12日 1776万株 -8910万株 8億8571万株 +676万株 09月11日 1億0687万株 +508万株 8億7895万株 +6466万株 09月10日 1億0178万株 -1369万株 8億1428万株 -943万株 09月09日 1億1548万株 +248万株 8億2371万株 -3586万株 09月08日 1億1299万株 +1533万株 8億5958万株 -3072万株 09月05日 9766万株 -196万株 8億9030万株 -3361万株 09月04日 9963万株 +130万株 9億2391万株 +757万株 09月03日 9832万株 +6382万株 9億1634万株 -464万株 09月02日 3450万株 +304万株 9億2099万株 +173万株 09月01日 3145万株 +1559万株 9億1925万株 -1613万株 株探ニュース
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