米連邦政府機関閉鎖警戒のドル売りが重石=東京為替概況 ドル円は先週木曜日、金曜日と149円90銭台を付けたが、150円00銭手前の売りに上値進行を阻まれた。米国市場で週末前のポジション整理もあって149円40銭台まで下げ、149円50銭近辺で先週の取引を終えた。週明けも同水準でスタートした後、いったん149円63銭を早朝に付けたが、その後一転してドル売りとなった。 2025年米会計年度(2024年10月から2025年9月)の終了を前に次期会計年度での予算の合意が難航。10月1日からの連邦政府機関の一部閉鎖(国防、国境警備などを除く、緊急性の低い公的部門の閉鎖)が現実味を帯びてきたことで、リスク警戒の動きが広がっている。米共和党下院は、11月21日まで政府機関を継続するためのつなぎ予算を提出し、下院で19日に可決されたが、上院は同日同案を否決。民主党はトランプ大統領が減税案の中で削減を決めた低所得者向け医療制度「メディケイド」の削減撤廃を求めており、それによる債務拡大を嫌う共和党側は受け入れる姿勢を示していない。上院では共和党が53議席を有しているが、予算通過には議事妨害(フィリバスター)を回避するための60議席が必要となっており、民主党側からの一定の賛同が必要。今日にもトランプ大統領と民主党首脳部(シューマー上院院内総務、ジェフリーズ下院院内総務)に共和党のスーン上院院内総務などを交えた会談を行う予定となっているが、合意は難しいとみられている。 こうした状況がリスク警戒のドル売り円買いとなり、ドル円は朝の149円63銭からじりじりと下げ、昼前に149円割れを付けた。その後午後は149円00銭前後が重くなり、148円71銭を付けている。 ユーロドルでもドル売りが優勢。先週末終値に近い1.1700台で週の取引をスタート。朝は1.1699を付ける場面も、その後のドル売りに午後に入って1.1733を付けている。ポンドドルも朝の1.3390から1.3442までポンド高ドル安となった。リスク警戒の円買いから、対円でユーロ売りやポンド売りが出ている分、ドル円に比べると対ドルでの動きが抑えられている。 ユーロ円はリスク警戒の円買い。朝は175円13銭を付ける動きも、すぐにリスク警戒の円買いが強まり、昼過ぎに174円60銭を付けた後。ドル円の下げが少し抑えられた局面で174円70銭台まで戻すも、その後再び円買いが強まり174円35銭を付けた。ポンド円は朝の200円43銭から昼頃にいったん200円割れ。午後は200円20銭前後へいったん戻すも、円買いが強まったことで199円86銭を付けている。 MINKABUPRESS 山岡
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