株価指数先物 【週間展望】―「高市トレード」で4万7000円が意識されてくる

配信元:株探
著者:Kabutan
 今週の日経225先物は「高市トレード」への思惑が高まるなかで、ロング優勢の展開が期待されそうだ。10月4日の自民党総裁選で、新総裁に高市早苗前経済安全保障相が選出された。自民党初の女性総裁に就任し、15日で調整している臨時国会の初日の首相指名選挙で、日本初の女性首相に選ばれる公算が大きい。週初はこれをポジティブに受け止めたロングが入りやすいだろう。

 先週の日経225先物は、週前半はショート優勢の動きをみせ、2日には4万4370円まで下げる場面もみられた。下期入りに伴う機関投資家による益出しの影響が指摘されていたほか、米政府機関の一部閉鎖がもたらす混乱を警戒したショートが優勢だった。

 ただし、米政府機関閉鎖による米国市場の影響は限定的だったほか、エヌビディアなど半導体や人工知能(AI)関連株を中心に買いが強まったことが支援材料となり、週後半はアドバンテスト <6857> [東証P]やソフトバンクグループ <9984> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株に買いが集中し、週末3日は一時4万5960円まで買われた。

 日経225先物は3日の大幅高によってボリンジャーバンドの+1σ(4万5290円)を明確に上抜け、+2σ(4万6530円)とのレンジに入っている。3日の取引終了後のナイトセッションでは、開始後ほどなくして4万6000円に乗せており、中盤にかけて4万6220円まで上げ幅を広げる場面もみられた。終盤に上げ幅を縮めたものの4万6000円を上回って終えている。

 ナイトセッションで+1σは4万5640円、+2σが4万6720円まで上昇してきているが、+2σを射程に入れたロングの動きが強まりそうである。また、週足でみると、先週は+1σまでの調整からのリバウンドにより、+2σに接近してきた。今週は+1σ(4万5060円)、+2σ(4万7030円)辺りに上昇してくるため、4万7000円が意識されてくる可能性があろう。

 日足で+2σを捉えてくる局面があると、ショートカバーが強まりやすく、オーバーショート気味の上昇となって+3σ(4万7990円)が射程に入ってくる可能性も想定しておく必要はありそうだ。今週は6日に日銀支店長会議が開かれ、日銀地域経済報告(さくらリポート)が公表される。8日には植田和男日銀総裁の講演が予定されているが、自民党総裁に高市早苗氏が選ばれたことで、利上げのタイミングは後ずれするとの見方が強まりそうだ。

 ただし、現時点では大きな影響はみられていないが、米政府機関の一部閉鎖により9月の米雇用統計の公表が後ずれしていることは影響するだろう。閉鎖が長期化することによって、想定以上に米経済活動を押し下げる可能性がある。なお、米国では8日に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公開されるほか、9日にはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言機会がある。

 また、翌週の13日は日本が「スポーツの日」の祝日で3連休となる。そのため、週後半にかけては、週前半の上昇に対する持ち高調整、ロング解消の動きも意識しておきたい。もっとも、先高期待が強まる局面では、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の影響を受けやすくなるため、半導体やAI関連株への物色が継続するようであれば、ショートからのエントリーは避けたい。

 そのため、オプション権利行使価格の4万5500円から4万7000円のレンジを想定。4万6000円処で底堅さがみられる局面では日足の+2σ突破から、+3σとのレンジに移行する可能性がありそうだ。

 3日の米VIX指数は、16.65(2日は16.63)に上昇した。週間(9月26日は15.29)でも上昇となった。先週は米ADP雇用統計などを受けてFRBによる追加利下げ期待が高まったほか、半導体株主導の上昇で主要な株価指数が史上最高値を更新した。ただし、米政府機関の一部閉鎖による影響からか、VIX指数は5日続伸。先週末までの上昇で25日・75日移動平均線を上回ってきている。ボトム圏での推移ではあるが、市場心理をやや神経質にさせそうである。

 先週末のNT倍率は先物中心限月で14.64倍(2日は14.56倍)に上昇した。週間(26日は14.28倍)で大きく上昇している。指数インパクトの大きい値がさハイテク株に資金が集中し、相対的に日経平均型優位の展開になった。昨年10月半ば以来の水準に上昇し、昨年3月高値の14.84倍が射程に入ってきている。週半ばまでは+1σに沿ったトレンドを形成していたが、週後半の上昇で+2σ(14.69倍)に接近してきた。6日の米国市場ではハイテク株の一角が利食いに押されていたこともあり、NTロングを巻き戻す動きに向かうかを見極めたい。

 9月第4週(9月22日-26日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりの売り越しであり、売り越し額は1兆2608億円(9月第3週は2611億円の買い越し)だった。なお、現物は5591億円の売り越し(同2943億円の売り越し)と3週連続の売り越し。先物は7016億円の売り越し(同5555億円の買い越し)と3週ぶりの売り越しだった。個人は現物と先物の合算で1502億円の買い越しと2週連続の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で927億円の買い越しとなり、13週ぶりの買い越しだった。

 主要スケジュールでは、6日に10月日銀地域経済報告・さくらリポート、7日に8月全世帯家計調査、8月景気動向指数、米国8月貿易収支、8日に植田和男日銀総裁の都内イベント講演、9月景気ウォッチャー調査、FOMC議事録(9月16日・17日開催分)、9日にパウエルFRB議長発言、米国8月卸売売上高、10日にオプションSQ、9月国内企業物価、米国10月ミシガン大学消費者信頼感指数などが予定されている。

――プレイバック・マーケット――

●SQ値
10月限 日経225 39701.93  TOPIX  2721.72
11月限 日経225 39901.35  TOPIX  2765.26
12月限 日経225 39434.85  TOPIX  2738.68
01月限 日経225 39343.19  TOPIX  2726.70
02月限 日経225 39432.64  TOPIX  2775.06
02月限 日経225 39432.64  TOPIX  2775.06
03月限 日経225 36483.79  TOPIX  2684.98
04月限 日経225 32737.29  TOPIX  2418.70
05月限 日経225 37572.13  TOPIX  2733.00
06月限 日経225 38172.67  TOPIX  2776.06
07月限 日経225 40004.61  TOPIX  2830.46
08月限 日経225 41368.58  TOPIX  3004.82
09月限 日経225 45016.28  TOPIX  3175.61

◆日経225先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
25/12 10月03日  45030  45960  44930  45940  +870
25/12 10月02日  44410  45200  44370  45070  +530
25/12 10月01日  44830  44940  44420  44540  -390
25/12 09月30日  45080  45280  44780  44930  -200
25/12 09月29日  45130  45250  44920  45130  +80

◇TOPIX先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
25/12 10月03日  3091.5  3139.0  3082.5  3137.5  +43.0
25/12 10月02日  3085.0  3110.5  3074.5  3094.5  +4.5
25/12 10月01日  3128.5  3132.0  3084.5  3090.0  -47.0
25/12 09月30日  3137.0  3152.0  3118.0  3137.0  -3.0
25/12 09月29日  3159.5  3167.5  3132.5  3140.0  -13.0

●シカゴ日経平均 円建て
          清算値  前日大阪比
10月03日(12月限) 46025 +85
10月02日(12月限) 45095 +25
10月01日(12月限) 44825 +285
09月30日(12月限) 44855 -75
09月29日(12月限) 45170 +40
 ※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
        売り   前週末比   買い      前週末比
09月26日    1542億円  +599億円  2兆5880億円  +1936億円
09月19日    942億円  +211億円  2兆3944億円  +2765億円
09月12日    731億円 -3021億円  2兆1178億円  -239億円
09月05日    3753億円 +3230億円  2兆1417億円  -96億円
08月29日    523億円  +228億円  2兆1513億円  +238億円
08月22日    294億円  -596億円  2兆1275億円  -2億円
08月15日    891億円  -293億円  2兆1277億円  +3618億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
        売り      前日比  買い       前日比
10月01日    4612万株   -285万株  10億2329万株   -4580万株
09月30日    4897万株   +1192万株  10億6909万株   -2778万株
09月29日    3705万株   +0.9万株  10億9688万株   -468万株
09月26日    3704万株   +1867万株  11億0156万株   +6476万株
09月25日    1837万株   +413万株  10億3680万株   +2951万株
09月24日    1423万株   -884万株  10億0729万株   -1703万株
09月22日    2308万株    +29万株  10億2433万株   +1472万株
09月19日    2279万株   -108万株  10億0960万株   +3692万株
09月18日    2387万株   -256万株  9億7268万株   +2146万株
09月17日    2643万株    +70万株  9億5122万株   +2609万株
09月16日    2573万株   +796万株  9億2513万株   +3941万株
09月12日    1776万株   -8910万株  8億8571万株   +676万株
09月11日  1億0687万株   +508万株  8億7895万株   +6466万株
09月10日  1億0178万株   -1369万株  8億1428万株   -943万株
09月09日  1億1548万株   +248万株  8億2371万株   -3586万株
09月08日  1億1299万株   +1533万株  8億5958万株   -3072万株

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