[10月20日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日) 2026 年 8 月限 10 月 14 日〜 10 月 17 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 金 19,762 22,060 (17) 19,709 (14) 22,030 +2,272 銀 235.0 255.0 (14) 235.0 (14) 251.5 +19.2 プラチナ 7,563 8,250 (17) 7,500 (14) 8,250 +715 パラジウム 7,400 7,600 (17) 7,400 (14) 7,600 +600 ====================================== NY貴金属(カッコ内は限月) | 東京外為・株式/NY原油 17 日終値 前週末比 | 終 値 前週末比 金 (12) 4,213.3 +212.9 | ドル・円 149.80 2.90 円高 銀 (12) 5,010.4 +285.7 | 日経平均 47,582.15 -506.65 プラチナ ( 1) 1,619.5 -3.5 | NY原油 (11) 57.54 -1.36 パラジウム (12) 1,522.30 +51.70 |* ドル・円は15時45分現在、原油は 17日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前週のレビュー】 プラチナは米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しや金堅調が支援要因、とし た。 プラチナは米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しや金の史上最高値更新を受け て買い優勢となった。米中の貿易摩擦に対する懸念や米政府機関閉鎖の長期化の可能性 も金の支援要因だが、景気減速につながると、プラチナの上値を抑える要因になるとみ られる。現物相場は2013年2月以来の高値1729.52ドルを付けた。プラチナ 先限は上場来高値8250円を付けた。一方、パラジウムの現物相場は2023年5月 以来の高値1621.49ドルを付けた。 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は講演で、米経済見通しは9月会合以降変 わっていないと見受けられると述べた。また雇用の伸びが鈍いことに言及し、今後さら に弱まる可能性があると指摘した。米政府機関の一部閉鎖を受けて各省庁の経済指標の 発表が延期されたが、28〜29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げ が見込まれている。米労働省は、当初15日に発表予定だった9月の米消費者物価指数 (CPI)を24日に公表するとした。一方、ザイオンズ・バンコープとウェスタン・ アライアンス・バンコープの地銀2行が、不正の疑いがある融資の問題を明らかにし た。詐欺疑惑の詳細と株式市場の反応を確認したい。 トランプ米大統領は、中国によるレアアース(希土類)の輸出規制強化に反発を示 し、100%の対中追加関税を11月から課すと表明した。ベセント米財務長官は、米 国は中国との対立激化もデカップリング(分断)を望んでいないとしつつも、中国が信 頼できない供給国であることが判明すれば、行動を起こさざるを得なくなるだろうと述 べた。グリア米通商代表部(USTR)代表は中国によるレアアース輸出規制の大幅拡 大は、過去6カ月間にわたる米中通商合意を完全に反故(ほご)にするものとの見解を 示した。中国国営メディアは、中国にレアアース規制の緩和を求める米国に対し、7項 目の反論を発表した。米大統領は10月下旬に韓国の会議で習国家主席と会談する予定 である。 米上院は16日、つなぎ予算案を否決した。10回目の否決となった。米政府機関の 一部閉鎖は3週目に入り、共和党と民主党の議員は引き続き互いに行き詰まりの責任を 押し付け合っている。トランプ米大統領は、現在続いている米政府機関の閉鎖に伴って 撤廃する「民主党の政策」のリストを17日に発表する予定だと述べた。ただサンフラ ンシスコの米連邦地方裁判所は、米政権による政府機関閉鎖中の職員削減について、労 組側が提起した訴訟の審理が行われる間の差し止めを命令した。ホワイトハウスは米大 統領の意向を受け、相当規模の政府職員解雇を開始したと表明している。 【ロンドンのプラチナ・パラジウムETF残高が増加】 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、15日のロンドンで11.57トン (前週末10.39トン)に増加、16日のニューヨークで39.05トン(同 39.33トン)、15日の南アで7.45トン(同7.54トン)に減少した。また パラジウムETFの現物保有高はロンドンで5.75トン(同5.56トン)に増加、 ニューヨークで17.93トン(同18.07トン)に減少、南アで0.33トン(同 0.33トン)と変わらずとなった。テクニカル面で改善するなか、ロンドンのプラチ ナ・パラジウムETF残高が増加した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建 玉明細報告は米政府機関閉鎖を受けて発表が延期された。9月23日時点のニューヨー ク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万2042枚(前週1万5203枚)、パラ ジウムの売り越しは3840枚(同4012枚)となっている。 【IMFは世界経済見通しを上方修正】 国際通貨基金(IMF)は世界経済見通しを上方修正した。今年の世界の国内総生産 (GDP)成長率は3.2%と予測し、7月時点の3.0%から引き上げた。トランプ 米大統領が「相互関税」を課す意向を示した4月時点の予想は2.8%だった。関税の 影響や金融環境が当初の想定より穏やかだったとした。ただ米中の貿易摩擦が再燃すれ ば、成長の大幅な減速につながる恐れがあると警告した。2026年の成長率予想は 3.1%に据え置いた。またインフレ率の見通しは世界全体で2025年が4.2%、 2026年が3.7%でほぼ変わらず。ただ国・地域の差は大きく、米国については企 業が関税コストを消費者に転嫁し始めた影響で、インフレ見通しを上方修正した。一 方、中国、インド、タイなど一部のアジア輸出国では、成長の鈍化を反映してインフレ 見通しを下方修正した。 当面の予定(イベント・経済統計) 20日 中国住宅価格指数 2025年9月(国家統計局) 中国国内総生産 2025年7-9月期(国家統計局) 中国小売売上高 2025年9月(国家統計局) 中国鉱工業生産 2025年9月(国家統計局) 独生産者物価指数 2025年9月(連邦統計庁) ユーロ圏国際収支 2025年8月(ECB) 21日 加消費者物価指数 2025年9月(カナダ統計局) 22日 貿易収支 2025年9月速報(財務省) 英消費者物価指数 2025年9月(国立統計局) 23日 米新規失業保険申請件数(労働省) 米中古住宅販売統計 2025年9月(全米不動産協会) 24日 消費者物価指数 2025年9月(総務省) 英小売売上高 2025年9月(国立統計局) ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2025年10月速報(Markit) ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2025年10月速報(Markit) 米消費者物価指数 2025年9月(労働省) 米新築住宅販売 2025年9月(商務省) 米消費者信頼感指数 2025年10月確報値(ミシガン大) 建玉明細報告(CFTC) ※米政府機関閉鎖の影響で米経済指標の発表が延期になる可能性があります。 MINKABU PRESS 東海林勇行 ※投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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