[今日の視点]貴金属=金が続落、プラチナは反発

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 貴金属は、金が続落して寄り付く見通し。金と銀はニューヨーク安を受けて売り優勢
となろう。プラチナ系貴金属(PGM)はプラチナがニューヨーク高を受けて堅調とな
ろう。
 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は62.21ドル安
の4096.85ドル、銀が91セント安の4835セント、プラチナが69.41ド
ル高の1606.51ドル、パラジウムは38.94ドル高の1473.50ドル。
 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=151.91/93円で、前営業日の
大引け時点から0.17円の円安。
 先限の寄り付き目安は、金が2万0330円前後、銀は225.0円前後、プラチナ
は7160円前後、パラジウムは6900円前後。
【NY金は手じまい売りが圧迫】
 金はきのうの海外市場は、欧州時間のドル高を受けて手じまい売りが出た。
 金は手じまい売りが圧迫要因になった。ドル高を受けて調整局面を継続するなか、金
ETF(上場投信)から投資資金が流出した。22日のSPDRゴールドの現物保有高
は前日比6.29トン減の1052.37トンとなった。また英中銀の利下げ観測を受
けて欧州時間にドル高に振れたことも圧迫要因になった。9月の英消費者物価指数(C
PI)は前年比3.8%上昇と前月と同水準だった。ただ市場予想の4.0%上昇を下
回った。
 米政府機関の一部閉鎖が続いていることや、米国がロシアに対する制裁を発表したこ
とは下支え要因である。米政府は、ロシアの石油大手ロスネフチとルクオイルに制裁を
科すと発表した。ロシアに対しウクライナで即時停戦に応じるよう求め、一段の措置を
講じる用意があると表明した。ベセント米財務長官は制裁を発表する声明で「同盟国に
制裁措置に同調するよう求める」とした。トランプ米大統領は、予定されていたロシア
のプーチン大統領との首脳会談をキャンセルしたと明らかにした。またトランプ米政権
は、ノートパソコンからジェットエンジンまで、米国製ソフトウェアを使用した多岐に
わたる製品の中国への輸出制限を検討している。
 銀はきのうの海外市場は、欧州時間のドル高や金軟調を受けて売り優勢となった。
【プラチナはNY時間のドル安で買い戻される】
 プラチナはきのうの海外市場は、ニューヨーク時間のドル安を受けて堅調となった。
 プラチナはニューヨーク時間のドル安が支援要因になった。英中銀の利下げ観測を受
けて欧州時間にドル高となったが、ニューヨーク時間は米政府機関の一部閉鎖が続いて
いることなどを受けてドル安に振れた。上海プラチナの出来高が増加し、中国勢の押し
目買いが入ったことも下支え要因である。一方、国連のグテレス事務総長は、ジュネー
ブで開かれた国連貿易開発会議(UNCTAD)の会合で、貿易紛争や貿易障壁の高ま
りに対する懸念を指摘し「ルールに基づく貿易のシステムは崩壊の危機にある」と述べ
た。米中の貿易摩擦の行方も引き続き確認したい。
<今日の予定>
・米新規失業保険申請件数(労働省)、発表延期見通し
・米中古住宅販売統計 2025年9月(全米不動産協会)
MINKABU PRESS 東海林勇行

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