ダウ平均は続落 米中貿易協議を控え懸念が強まる=米株式概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 きょうのNY株式市場でダウ平均は続落。10日からの米中貿易協議を控え懸念が強まっている。寄り付きから売りが先行し、ダウ平均は一時338ドル安まで下落する場面も見られた。

 中国は農産品など部分的合意を模索しているとも伝わる一方、米側は中国に対して産業への補助金廃止などを求めており、中国側は難色を示している。トランプ大統領はきのう、「私の望みは大きな取引だ」と述べ、部分的な合意には否定的な考えを示し、協議が進展するかは予断を許さない状況。

 そのような中、米商務省が中国の監視カメラ大手や公安機関など28団体・企業を事実上の禁輸リストである「エンティティー・リスト」に追加した。中国政府によるウイグル族などイスラム系少数民族への弾圧に関与しているとした。

 米国が中国の人権問題にも踏み出す動きも見せる中、10日の協議への楽観的な見方は後退している模様。

 ナスダックも続落。テスラ、ロク、マイクロソフトが上昇しているほかは、主力株は概ね下落。エヌビディアやマイクロン、AMDといった半導体関連の売りが目立っている。

 人事管理用ソフトウエアのアシュアが大幅高。オフィス管理事業をFMシステムズに1.2億ドルで売却することで合意した。

 石油海上輸送のノルディック・アメリカン・タンカーズ(NAT)がきょうも上昇。アナリストの投資判断引き上げが伝わっており、「買い」に引き上げ、目標株価を4ドルとした。タンカーのスポット価格が回復の具体的な兆候を見せているという。

 カメラ用半導体を手掛けるアンバレラが大幅安。トランプ政権が中国企業への禁輸措置を発表しており、その中に監視カメラメーカー最大手のハイクビジョンとダーファ・テクノロジーが含まれている。アンバレラにとっては大口顧客であり、売り上げの約4分の1を占めるという。

MINKABU PRESS 野沢卓美

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