<金> NY金12月限は10月20日に4398ドルの高値を付けた後は軟化に転じたが、 4000ドルを割り込むと買い戻され、30日は4015ドル台を維持して引けた。 10月28〜29日にかけて開催された米公開市場委員会(FOMC)では追加利下 げが発表されたものの、その後の会見でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が 「12月の追加利下げは確定的ではない」としたことで年内の追加利下げ観測が後退し たことが上値抑制要因になっている。 米国ではつなぎ予算案の否決が続いていることで米政府機関の一部は依然として閉鎖 されており、主要な経済指標の発表は続いているものの、雇用情勢などの最新の状況把 握が困難な状態となっている。 9月の米消費者物価指数(CPI)の前年同月比は+3.0%で事前予想の+3. 1%を下回ったことで過度なインフレ加速化に対する警戒感は和らいでいるが、3%台 に乗せたことでじりじりと物価高が進行している可能性も示されている。米雇用情勢の 軟化が窺われるなかで緩やかながらインフレの上昇が見られることは米経済に対する不 安感を深める要因になると見られる。 米政府機関の一部閉鎖が長引くなか、米財政や米金融政策不安がくすぶっており、金 に対する安全資産を求める動きは根強く見られることになりそう。 NY金12月限は4000ドルを割り込む水準まで値を落とした後に反発したこと で、10月20日にかけて史上最高値の更新が続いた後の玉整理も一巡した可能性が高 い。 引き続き安全資産を求める動きに支えられて4000ドル前後での動きになると予想 される。ただ米政府機関の再開があれば、ドル高から手じまい売りが進み急落リスクは ある。 <銀> NY銀12月限はNY金の堅調と旺盛な需要に追随し、17日に5376.5セント まで値を伸ばし、その後に軟化に転じながらも4600セントを下値支持線とした高も みとなり、下値の強さを窺わせている。 太陽光パネルや半導体などの工業用としての銀需要が旺盛なことに加え、安全資産と しての需要から金の高止まりが見込まれることが買い支援要因であり4800セント 台での高下が続くことになりそうだ。 <白金> NY白金1月限は10月16日に1770ドルまで値を伸ばした後に軟化に転じなが らも1500ドルでは買い戻されたうえ、1600ドル前後を維持し、堅調地合いを示 している。 高騰する金に連動したうえ、世界的な需給の引き締まり観測、電気自動車(EV)用 としての需要増観測が引き続き白金市場の買い支援要因となるなか、現在の水準を保つ 高もみが想定される。 <パラジウム> NYパラジウム12月限は10月半ば以降に軟化に転じながらも1400ドルを割り 込むと買い戻される底意の強い動きとなっている。 NY金、白金がそれぞれ高止まりするなか、これに追随し1400ドル台を保つ展開 になるのでは。 MINKABU PRESS
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