[今日の視点]貴金属=総じて反落、NY安と円高で

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 貴金属は、総じて反落して寄り付く見通し。金はニューヨーク安と円高を受けて売り
優勢となろう。銀は先限が夜間取引で変わらずとなった。プラチナ系貴金属(PGM)
はプラチナがニューヨーク安と円高を受けて軟調となろう。
 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は7.87ドル安の
3977.69ドル、銀が26セント安の4799セント、プラチナが22.21ドル
安の1541.50ドル、パラジウムは55.79ドル安の1376.50ドル。
 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=153.04/06円で、前営業日の
大引け時点から0.91円の円高。
 先限の寄り付き目安は、金が1万9920円前後、銀は232.0円前後、プラチ
ナは7090円前後、パラジウムは7000円前後。
【NY金はリスク回避で手じまい売り】
 金はきのうの海外市場では、リスク回避の動きを受けて手じまい売りが出た。
 金はリスク回避の動きが圧迫要因になった。米株式市場の調整局面の見方が出ていた
が、株安に振れる中、金に手じまい売りが出た。他の商品の下落も手じまい売りの要因
となった。一方、金ETF(上場投信)に投資資金が流入し、安値拾いの買いが入っ
た。
 再就職あっせん会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスによると、米国で
10月に発表された人員削減数は前月比183%増の15万3074人となり、10月
として22年ぶりの高水準を記録した。米政府機関閉鎖で米雇用統計の発表が延期され
ており、労働市場に対する見方が今後の焦点になりそうだ。
 米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は、連邦政府機関の一部閉鎖で経済指標の発表
が滞り、インフレに関する公的統計が得られない状況の中で、自身は追加利下げに慎重
な姿勢を一段と強めていると述べた。米クリーブランド地区連銀のハマック総裁は、米
国のインフレ率が高止まりしていることを踏まえ、連邦準備理事会(FRB)は追加利
下げを実施するべきではないとの考えを示した。米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総
裁は、FRBは独立性を維持しているため、短期的な政治的帰結に左右されずにインフ
レを抑制できるとし、FRBの独立性は米経済だけでなく世界経済にとって極めて重要
になっているとの考えを改めて示した。
 銀はきのうの海外市場は、リスク回避の動きや金軟調を受けて売り優勢となった。
【プラチナはリスク回避や金軟調が圧迫】
 プラチナはきのうの海外市場は、リスク回避の動きや金軟調を受けて売り優勢となっ
た。
 プラチナはリスク回避の動きや金軟調が圧迫要因になった。米株式市場で、ハイテク
株売りが再開した。一方、再就職あっせん会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリ
スマスによると、米国で10月に発表された人員削減数は前月比183%増の15万
3074人となり、10月として22年ぶりの高水準を記録した。コスト削減と人工知
能(AI)の導入を進める企業の動きを背景に急増した。米連邦準備理事会(FRB)
の利下げ観測が高まったことは下支え要因である。
<今日の予定>
・全世帯家計調査・消費支出 2025年9月(総務省)
・中国貿易収支 2025年10月(税関総署)
・独貿易収支 2025年9月(連邦統計庁)
・米雇用統計 2025年10月(労働省)、発表延期見通し
・米消費者信頼感指数 2025年11月速報値(ミシガン大)
・建玉明細報告(CFTC)、発表延期見通し
MINKABU PRESS 東海林勇行

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