【前週までのレビュー】ゴム独自のファンダメンタルズは弱気に振れている。ただ、売 り材料にも新鮮味を欠くことから、目先、305〜315円前後でのレンジ相場が続く とみた。 【期近主導の下落に注意】 JPXゴムRSS3号の活発限月4月限は、310〜316円前後でのレンジ相場と なっている。ゴム独自のファンダメンタルズに大きな変化はないことから、様子見気分 が広がっているようだ。ただ、依然として需給緩和観測が強い。期近11月限は、5 日、6日の2営業日で12.0円も下落する場面があった。6日は出来高を伴っての下 落であった。納会を今月25日に控えて、ポジションを落とす動きもあろうが、先安観 からの売りも出たとみる。期近主導の下落には注意したい。目先は310〜316円前 後を中心としたレンジ内での推移が想定される。ただし、期近が崩れた場合は、レンジ を下方にブレイクする可能性もある。 【産地価格は再び安値低迷か】 産地タイでの降雨を背景としたタイオファーの上昇が落ち着いてきた。先月中旬に一 時65バーツ台に下落したタイオファーは、下旬になると降雨によるタッピング(樹液 採取作業)障害懸念から買いが先行し、67バーツ台に水準を引き上げた。11月に入 ると、66バーツ台の取引が続いていたが、6日のタイ南部の天然ゴム主要積み出し港 のソンクラ渡しのオファー価格は、前営業日比0.55バーツ安の65.55バーツが 提示され、再び今年の最安値圏が提示されている。天然ゴム需給は、産地生産が順調に 進む見通しとなっている。一方、米中二大天然ゴム消費国は、景気減速の兆候がある。 産地価格が本格的に上昇を開始するには時間が必要とみる。 【上海ゴムは1万5500元付近の攻防に注目】 上海ゴムは、売りが先行した。中心限月の1月限は、9月5日に1万6370元まで 上昇後、ジリ安調の展開となり、10月20日には1万4675元まで水準を引き下げ た。だが、同水準で支持されると反発局面を迎え、10月21日に1万5000元台を 回復すると、10月29日に一時1万5670元まで上昇した。だが、終値ベースで1 万5500元を維持できず、10月30日からは5営業日連続で陰線を形成し、11月 5日には1万4740元まで下落した。目先、10月20日の安値1万4675元と5 日の安値1万4740元でダブルボトムが形成されるか注目したい。中国景気の弱さや 産地安など弱材料はあるが、いずれも材料としての新鮮味には欠け、突っ込んで売るよ うな状況ではない。目先、自律反発となる可能性がある。 【東京ゴム活発限月の4月限のテクニカル要因】 ゴムRSS3号の活発限月の4月限は、310〜316円前後での狭いレンジ相場と なった。10月下旬からの値動きを確認すると、産地安を背景に、10月20日に30 4.2円まで下落後、産地相場が底堅い動きとなったことから、買いが先行。10月3 0日には316.0円まで上昇した。その後は、310〜316円前後でのもみ合いと なっている。現状、強いトレンドは発生していないとみる。 買いが先行すれば、続伸となれば、10月30日の高値316.0円が最初の関門。 同水準を上抜くと、節目の320円や9月4日の高値326.0円が視野に入る。一 方、売りが優勢となれば、10月29日の安値308.5円がポイントになりそうだ。 安値更新となれば、節目の305円や300円を意識した展開になる。 【今週の注目ポイント】 引き続き、産地相場に注目したい。タイオファーが、短期的には底入れした可能性が ある。ただ、ファンダメンタルズに大きな変化みられない。タイオファーの動向を注意 深く見守りたい。 【相場予想レンジ】 11月10〜14日のJPXゴムRSS3号3月限の中心レンジ予想は290〜32 5円前後。テクニカルの支持線308.5円(10月29日安値)、抵抗線は316. 0円(10月30日高値)。 ※米政府機関閉鎖の影響で米経済指標の発表が延期になる可能性があります。 MINKABU PRESS ※投資や売買は御自身の判断でお願いします。
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