ゴム週間展望=反落場面、上海ゴムは戻りいっぱいか

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
              [11月17日からの展望]
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     週間高低(カッコ内は日付)         11月10日〜11月14日
<国内>         始 値     高 値       安 値       帳入値    前週比
 26年04月限      313.4     326.5(13)    313.4(10)   324.5    + 11.5
 RSS先限      318.0      323.0(13)   318.0(10)    323.0     +  9.0
 TSR20    260.0      260.0(10)    260.0(10)    260.0        0.0
 上海1月限   15025    15365(13)   15100(11)     15275     +  250
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東京外為市場 円相場(本日 15:15現在) 154.55円  前週末比 1.06 円安
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【前週までのレビュー】ゴム独自のファンダメンタルズは弱気に振れているが、材料に
も新鮮味を欠くことから、305〜315円前後でのレンジ相場が続くとみた。ただ、
期近主導の下落の場合は、下げ幅拡大する可能性があるとした。
【反落の可能性が高まる】
 JPXゴムRSS3号の活発限月4月限は、310〜316円前後でのレンジ相場か
ら上放れ、13日には326.5円まで水準を引き上げる場面があった。ただ、今回の
上昇は、上海高に追随した動きであり、ゴム独自の弱気のファンダメンタルズに変化は
ない。また、買いのきっかけになった上海ゴムも、自律反発の域を出ていないうえ、節
目の1万5500元接近では、戻り売りを浴びた。上海ゴムが戻り一杯となり、売りが
先行すれば、JPXゴムRSS3も軟化するとみる。
【中国自動車販売は息切れ】
 11月10日に中国乗用車協会(CPCA)が発表した10月の中国乗用車販売台数
(確報値)は、前年同月比0.8%減の227万となった。9月まで8カ月連続で前年
同月を上回っていたが、今年1月以来の前年同月割れとなった。CPCAは、この背景
について、自動車下取り補助の厳格化や停止により、買い替え需要が減退したと述べ
た。なお、来年から電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)の減
税措置が半減する。
 中国では、依然として不動産不況が続いており、内需不足が指摘されている。このた
め同国は、自動車の買い替え補助や減税政策などを行ってきた。だが、上記の通り、来
年からはこれらが縮小される。新たな支援策が出てこなければ、中国の自動車販売は伸
び悩めば、天然ゴム相場にとって弱材料となる。
【上海ゴムは1万5500元付近では上値が重いか】
 上海ゴムは、反発場面となった。中心限月の1月限は、11月5日に1万4740元
まで下落後、6日連続高となり、11月13日には1万5415元まで上昇した。チャ
ート的には、10月20日の安値1万4675元と5日の安値1万4740元でダブル
ボトムが形成された。ただ、6日からの反発には特に目立った材料はみられず、自律反
発と考える。このため節目の1万5500元付近〜10月29日の高値1万5670元
付近で上値が重くなるとみる。目先、1万4500元〜1万5500元でのレンジ相場
を形成しそうだ。
【東京ゴム活発限月の4月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の4月限は、10月24日から続いた310〜316円前
後のレンジ相場から上放れた。10月下旬からの値動きを確認すると、産地安を背景
に、10月20日に304.2円まで下落後、産地相場が底堅い動きとなったことか
ら、買いが先行。10月30日には316.0円まで上昇した。11月上旬は、310
〜316円前後でのもみ合いとなっていたが、11月10日に同レンジから上放れる
と、買いが加速し、11月13日には一時326.5円まで上昇した。その後、323
〜325円前後で推移している。
 続伸となれば、11月13日の高値326.5円が最初の関門。同水準を上抜くと、
節目の330.0円や7月23日に付けた一代の高値331.0円が視野に入る。一
方、売りが優勢となれば、節目の320.0円付近が支持になる。同水準を割り込む
と、節目の315.0円や10月29日の安値308.5円が意識される。これらを下
抜くと、節目の300円の攻防になる。
【今週の注目ポイント】
 引き続き、産地相場に注目したい。タイオファーが、65〜66バーツ台で底堅い動
きをみせている。ファンダメンタルズに大きな変化みられないが、タイオファーが上昇
トレンドに転じると、JPXゴムRSS3は、一段高の可能性がある。
【相場予想レンジ】
 11月17〜21日のJPXゴムRSS3号3月限の中心レンジ予想は300〜33
0円前後。テクニカルの支持線315.0円(節目)、抵抗線は326.5円(11月
13日高値)。
<当面の予定(イベント・経済統計)>
17日 国内総生産 2025年7-9月期1次速報 (内閣府)
    米製造業景況指数 2025年11月(ニューヨーク連銀)
18日 米輸出入物価指数 2025年10月(労働省)
    米鉱工業生産・設備稼働率 2025年10月(FRB)
    対米証券投資 2025年9月(財務省)
19日 機械受注 2025年9月(内閣府)
    貿易収支 2025年10月速報(財務省)
    英貿易収支 2025年10月速報(財務省)
    ユーロ圏国際収支 2025年9月(ECB)
    ユーロ圏消費者物価指数 2025年10月確報(EUROSTAT)
    米住宅着工・許可件数 2025年10月(商務省)
    米FOMC議事録公表 10月28-29日(FRB)
20日 ゴム指定倉庫在庫(大阪取引所)
       独生産者物価指数 2025年10月(連邦統計庁)
    政策金利公表(南アフリカ準備銀行)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
    米製造業景況指数 2025年11月(フィラデルフィア連銀)
    米中古住宅販売統計 2025年10月(全米不動産協会)
21日 消費者物価指数 2025年10月(総務省)
    上海ゴム指定倉庫在庫(上海期貨交易所)
    英小売売上高 2025年10月(国立統計局)
    ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2025年11月速報(Markit)
    ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2025年11月速報(Markit)
    米消費者信頼感指数 2025年11月確報値(ミシガン大)
    建玉明細報告(CFTC)
※米政府機関閉鎖の影響で米経済指標の発表が延期になる可能性があります。

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