株価指数先物【引け後】 日中関係の不透明感により積極的なロングは限られる

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪12月限
日経225先物 50270 -60 (-0.11%)
TOPIX先物 3342.5 -11.0 (-0.32%)

 日経225先物(12月限)は前日比60円安の5万0270円で取引を終了。寄り付きは5万0300円と、シカゴ日経平均先物清算値(5万0430円)にサヤ寄せする動きにはならず、小幅に売りが先行して始まった。現物の寄り付き後ほどなくして4万9880円まで売られ、25日移動平均線(4万9940円)を割り込む場面もあった。ただ、前場中盤にかけて押し目待ち狙いのロングが入り、5万0430円とシカゴ先物の終値水準まで買われた。

 買い一巡後は再び軟化し、前場終盤にかけて5万0030円まで売られ、ランチタイムでは5万0050円~5万0200円辺りで推移。後場に入り若干レンジを切り上げると、中盤にかけてプラス圏を回復し、引け間際には5万0400円台を回復する場面もあった。ただ、前場につけた高値は超えられず、結局は下落して終えた。

 日経225先物は朝方に5万円の大台を割り込んだが、その後は5万円を上回っての推移が続いた。25日線が支持線として機能しており、積極的にショートを仕掛けてくる動きにはならなかったとみられる。

 米国では利下げ期待が後退したとの見方のほか、国内では日中関係の不透明感からかファーストリテイリング<9983>[東証P]の下げが日経平均型の重荷になっている。一方で、前週末にストップ安まで売られたキオクシアホールディングス<285A>[東証P]が大きくリバウンドをみせたことが投資家心理を明るくさせており、ソフトバンクグループ<9984>[東証P]や東京エレクトロン<8035>[東証P]、アドバンテスト<6857>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角の自律反発狙いに向かわせていた。

 もっとも、19日に発表されるエヌビディアの決算への市場反応を見極めたいところであり、半導体・AI(人工知能)関連は自律反発の域は脱せなかった。一方で、中国関連銘柄に対する持ち高調整の動きが目立ったことで、押し目待ち狙いのロングも限られた格好であろう。英紙フィナンシャル・タイムズが、中国のアリババが米国内を標的にした中国軍の作戦に技術提供している疑いがあると報じたことも、中国関連株への慎重姿勢を強めたようである。

 日経225先物は25日線を支持線とした5万円近辺での底堅さは意識されそうだが、中国に関連する報道がトリガーになる可能性には注意しておきたいところだろう。そのため、5万円近辺でのロング対応としつつも、リバウンド局面では早めのクローズを誘いやすく、スキャルピング中心のトレードになりそうだ。

 NT倍率は先物中心限月で15.03倍に上昇した。一時14.94倍まで下げており、ボリンジャーバンドの-1σ(14.99倍)を下回る場面もみられた。その後はNTショートの巻き戻しに向かわせているが、リバランス中心であり、明確にNTロングへ転換する動きというよりは、25日線水準での攻防が意識されよう。

 手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万5260枚、ソシエテジェネラル証券が7878枚、サスケハナ・ホンコンが2745枚、SBI証券が1915枚、JPモルガン証券が1566枚、バークレイズ証券が1370枚、モルガンMUFG証券が1269枚、日産証券が1133枚、松井証券が823枚、ビーオブエー証券が702枚だった。

 TOPIX先物はABNクリアリン証券が2万0001枚、ソシエテジェネラル証券が1万6506枚、ゴールドマン証券が4471枚、JPモルガン証券が3937枚、バークレイズ証券が3784枚、モルガンMUFG証券が2605枚、サスケハナ・ホンコンが2069枚、ビーオブエー証券が1239枚、シティグループ証券が1214枚、ドイツ証券が1034枚だった。

株探ニュース

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