株価指数先物【寄り前】 自律反発期待も戻り待ち狙いのショートが優勢

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 48900 +400 (+0.82%)
TOPIX先物 3265.0 +27.0 (+0.83%) 
シカゴ日経平均先物 48850 +350
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 18日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。米連邦準備理事会(FRB)による追加利下げ観測が後退するなかで、この日も売り優勢の相場展開になった。エヌビディアの決算を19日に控えていることで、割高感が指摘されている半導体・AI関連株への利益確定の売りが出た。アドバンスト・マイクロ・デバイセズやマイクロン・テクノロジーなど半導体株が売られ、フィラデルフィア半導体(SOX)指数は2.3%安で10月半ば以来の水準に低下した。

 NYダウ構成銘柄では、メルク、ベライゾン・コミュニケーションズ、トラベラーズ、プロクター・アンド・ギャンブルが買われた。一方で、決算が予想を下回ったホーム・デポは6%下落したほか、アマゾン・ドット・コム、エヌビディア、マイクロソフト、IBMの下げが目立った。

 シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は大阪比350円高の4万8850円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比40円高の4万8540円で始まった。その後は自律反発とみられるロングが入り4万8960円まで買われ、買い一巡後は4万8580円~4万8900円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを下抜ける形から4万8410円と下落に転じる場面もみられた。ただ、終盤にかけてはロング優勢の流れからプラス圏を回復し、4万9110円まで上げ幅を広げ、4万8900円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることになりそうだ。もっとも、前日の1770円安に対する自律反発の範囲内であり、米国市場の調整が続く局面において積極的なロングの流れは期待できないだろう。米国同様、エヌビディアの決算を見極めたいとする様子見姿勢が強まりやすく、ヘッジ対応の動きなどが中心になりそうである。

 日経225先物は前日の急落により、25日移動平均線(4万9980円)から一気にボリンジャーバンドの-1σ(4万8570円)水準まで売られた。ナイトセッションで一時4万8410円まで売られる場面もみられたが、終盤にかけての切り返しにより同バンドを上回って終えているため、まずは-1σ水準での底堅さを見極めたいところであろう。-1σは4万8800円まで上昇してきているため、オプション権利行使価格の4万8750円から4万9000円辺りでの攻防になりそうだ。

 米政府はサウジアラビアのAI企業ヒューメインに、先端AI半導体の販売を承認する方針のほか、マイクロソフトとエヌビディアはAIスタートアップ企業のアンソロピックとの戦略的提携が報じられている。半導体・AI関連株への支援になりやすい材料ではあるが、これらの市場反応がみられないようだと、先物市場ではショートを誘う流れに向かわせそうである。

 日経225先物は-1σ水準での戻りの鈍さが意識されてくるようだと、-2σ(4万7530円)が射程に入ってくる。自律反発を意識した押し目狙いのロングを想定しつつも、戻り待ち狙いのショートに傾きそうだ。そのため、オプション権利行使価格の4万7500円から4万9500円辺りでのレンジを想定しておきたい。

 18日の米VIX指数は24.69(17日は22.38)に上昇した。一時25.84まで切り上がる場面もみられており、10月17日につけた28.99が射程に入ってきている。+2σ(23.59)を突破し、+3σ(25.97)に迫ってきたことでトレンドが強まりやすく、リスク回避に向かわせやすいだろう。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で14.97倍に低下した。一時15.02倍をつける場面もみられたが、その後は-1σ(14.99倍)が抵抗線として意識され、14.92倍まで下げる動きもあった。-2σ(14.76倍)辺りが射程に入ってくる可能性もあるとみられ、NTショートに振れやすくなろう。

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