ゴム週間展望=調整安場面が接近か、海外勢の利食い売りに注意

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
              [11月24日からの展望]
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     週間高低(カッコ内は日付)         11月17日〜11月21日
<国内>         始 値     高 値       安 値       帳入値    前週比
 26年04月限      322.9     339.4(21)    321.5(17)   335.3    + 10.8
 RSS先限      323.0      335.0(21)   323.0(17)    335.0     + 12.0
 TSR20    260.0      265.0(18)    260.0(17)    265.0     +  5.0
 上海1月限   15350    15465(19)   15245(21)     15245     -   30
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東京外為市場 円相場(本日 15:15現在) 157.14円  前週末比 2.59 円安
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【前週までのレビュー】JPXゴムRSS3は、買いが先行しているが、上海高に追随
した動きであり、ゴム独自のファンダメンタルズに変化がないことから、上海ゴムが上
げ一服となれば、軟化するとみた。
【調整安場面が近づくる】
 JPXゴムRSS3号の活発限月4月限は、上値を模索する展開となった。11月
19日に一代の高値を更新すると、21日には339.4円まで上値を伸ばした。た
だ、340円突破に失敗すると、その後は334円台まで軟化した。11月17日から
の上昇は、産地相場や上海ゴムの上昇を上回っている。ただ、ファンダメンタルズに大
きな変化がないことから、仕掛け的に動きがあったとみる。節目の340円付近で上値
が重くなるようなら、目先、直近の上昇に対する調整安場面になる可能性が高いとみ
る。
【海外勢の仕掛けで上昇か】
 JPXゴムRSS3の活発限月の4月限は、11月7日から20日まで10連騰、上
昇率にして約7.9%となった。この間、タイオファーは65〜66バーツ台で推移
し、上海ゴムの中心限月の1月限は、1万4830元から1万5510元に上昇したも
のの、上昇率は約4.5%だった。直近の上昇は、JPXゴムRSS3が主導したと言
える。
 日本国内の天然ゴムのファンダメンタルズに大きな変化は見られない。このため、直
近の上昇は投機的な色彩が強いとみる。大阪取引所が公表している投資部門別取引状況
をみると、10月第4週に39枚の売り越しだった海外投資家が、同月第5週に79枚
の買い越しに転じると、その後も買いポジションを増やし、11月第2週には245枚
もの買い越しとなっている。ポジションの動きをみると、海外勢が仕掛け的な買いに動
いた可能性がある。現状の海外勢の知るデータはまだ発表されないが、値動きをみる
と、まだ残っている可能性はある。ただ、既に340円付近まで上昇しており、過熱感
はある。海外勢が現受けに動く可能性は低いとみられるため、利食い売りに動けば、一
気に相場が崩れることも想定しておきたい。
【上海ゴムは1万5500元付近で戻りいっぱいか】
 上海ゴムは、もみ合いとなった。中心限月の1月限は、11月5日に1万4740元
まで下落後、6日連続高となり、11月13日には1万5415元まで上昇した。チャ
ート的には、10月20日の安値1万4675元と5日の安値1万4740元でダブル
ボトムが形成された。ただ、6日からの反発には特に目立った材料はみられなかった。
また、19日に1万5510元まで上昇したものの、すぐに切り返されており、1万5
500元付近では、戻り売り圧力が強い。このため、目先、1万4500元〜1万55
00元でのレンジ相場を形成する可能性が高いとみる。
【東京ゴム活発限月の4月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の4月限は、上値追いの展開となった。10月下旬からの
値動きを確認すると、産地安を背景に、10月20日に304.2円まで下落後、産地
相場が底堅い動きとなったことから、買いが先行。10月30日には316.0円まで
上昇した。11月上旬は、310〜316円前後でのもみ合いとなっていたが、11月
10日に同レンジから上放れると、買いが加速し、11月19日に7月23日に付けた
一代の高値331.0円を上抜き、11月21日には339.4円まで上値を伸ばし
た。
 続伸となれば、節目の340.0円が最初の関門。同水準を上抜くと、節目の34
5.0円や350.0円を意識した展開になる。ただ、4月限は、20日まで10連騰
となっており、過熱感がある。反落となれば、11月7日の安値310.3円から21
日の高値339.4円までの上昇の38.2%押しとなる328円台が支持になる。同
水準を下抜くと、同期間の半値押しとなる324円台を目指すとみる。この価格帯も下
抜くと、320円割れを試しそうだ。
【今週の注目ポイント】
 ドル・円相場に注目いたい。直近の上昇は、上海ゴムや産地価格の上昇より、先行し
ている。ドル・円相場に連動している面もあり、ドル・円の上昇が一服するようなら、
売り圧力が強まるみる。
【相場予想レンジ】
 11月24〜28日のJPXゴムRSS3号3月限の中心レンジ予想は320〜35
0円前後。テクニカルの支持線324.9円(11月7日の安値310.3円から21
日の高値339.4円までの上昇の半値押し)、抵抗線は340.0円(節目)。

<当面の予定(イベント・経済統計)>
24日 ●国民の祝日
    独景況感指数 2025年11月(ifo)
25日 独国内総生産 2025年7-9月期確報(連邦統計庁)
    米生産者物価指数 2025年9月(労働省)
    米ケース・シラー住宅価格指数 2025年9月(S&P)
    米消費者信頼感指数 2025年11月(カンファレンスボード)
    米中古住宅販売仮契約指数 2025年10月(全米不動産協会)
    建玉明細報告(CFTC)
26日 政策金利公表(NZ準備銀行)
    米国内総生産 2025年7-9月期改定値(商務省)
    米卸売在庫 2025年10月速報値(商務省)
    米耐久財受注 2025年10月速報値(商務省)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
    シカゴ購買部協会景気指数 2025年11月(シカゴ購買部協会)
    米個人所得・支出 2025年10月(商務省)
    米新築住宅販売 2025年10月(商務省)
    米地区連銀経済報告・ベージュブック(FRB)
27日 ●米国(サンクスギビングデー)
    中国工業利益 2025年10月(国家統計局)
28日 労働力調査(失業率) 2025年10月(総務省)
    鉱工業生産指数 2025年10月速報(経済産業省)
    小売業販売額 2025年10月速報(経済産業省)
    ゴム指定倉庫在庫(大阪取引所)
    上海ゴム指定倉庫在庫(上海期貨交易所)
    独雇用統計 2025年11月(連邦雇用庁)
    独消費者物価指数 2025年11月速報(連邦統計庁)
※米経済指標の発表が延期になる可能性があります。

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