米国の連邦公開市場委員会(FOMC)が、17日、18日の二日間にわたって行われます。 前回7月30日、31日のFOMCに続いて連続利下げが見込まれています。 景況感などが鈍化しているものの、雇用市場、個人消費などをはじめとする米国の実体経済はそれほど悪いものではありません。 約10年半ぶりの利下げに踏み切った理由として、FOMC議事録では低すぎるインフレに加え、世界的に低調な経済成長見通しや貿易戦争を巡っての不確実性の影響と、それに伴う一段の下振れリスクの保険という位置づけを示しました。 FOMCでの利下げ後、それほど間をおかずに米国による対中関税第4弾が発表され、中国からも対抗策が示されたこともあり、こうした不確実性リスクが拡大。先月は一時0.25%ではなく一気に0.50%の大幅利下げに踏み切るのでは、との思惑が強まる場面もありました。 もっともそうした期待は流石に行き過ぎとの見通しが広がり、その後収束。 前回の利下げですら2名の反対者が出ている状況で、今回のFOMCでより大きな規模で追加緩和を実施することは難しいとみられています。 今月に入って米中関係の改善期待が広がり、さらに中断していた米中閣僚級通商協議について、10月に実施することが報じられる展開に。 中国が米国産品16品目にについて対抗関税の対象から外し、米国は10月1日から予定していた関税率引き上げを15日まで延期と、協議に向けて両国が地ならしを続ける姿勢も見えたことで、0.50%の大幅利下げ期待はほぼなくなりました。 トランプ大統領は前回の利下げ後も、より積極的な金融緩和を求める姿勢を継続。FRB及びパウエルFRB議長を連日のように批判しています。 もっとも、こうした批判や圧力にFOMCでの決定が影響を受けるという見方はあまりありません。FRBは独立性を保つべきという姿勢が強いためです。 今週トランプ大統領はFOMCへの批判の中でマイナス金利導入を要求するところまで踏み込んで発言しました。しかし、流石に現実味に薄いという見方から市場では逆に金利据え置き派が増えるという皮肉な展開に。CME通貨先物動向からみたFOMC見通しは、発言前の時点で0.25%の利下げが91%、据え置きが9%程度でしたが発言後は一時0.25%の利下げ見通しが87.7%程度まで下がる場面まで見られました。 その後再び90%を超えてきていますので、利下げ自体はほぼ確実とみられます。なお、短期金利市場動向からみた政策金利見通し割合では0.25%の利下げを99.9%で織り込んでいます。 注目は声明内容でしょうか。前回の声明で見られた「将来的な道筋を慎重に検討しながら、今後の情報が示唆するものを引き続き注視し、 景気拡大や力強い労働市場、目標に近いインフレの維持に向けて「適切に行動」する。」という文言の中の、適切に行動という表現が残った場合、年内3度目の追加利下げ期待が広がる形でドル売りが強まる可能性も。 また、前回2名(ジョージ・カンザスシティ連銀総裁とローゼングレン・ボストン連銀総裁)の参加者が、現状維持を求めて反対投票に回りました。この辺りがどうなるのかも要注目です。 現状では、10月29日、30日のFOMCで3連続利下げに踏み切るという見通しは、短期金利市場動向では47.5%、CMEFF金利先物動向では43.7%と、。共にかなりの割合も50%を超えてはいません。声明内容次第で50%を超えてくるようだと、ドル売り圧力が強まりそうです。
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