NY時間の終盤に入ってドル円は100日線が控える108.15円付近での推移となっている。きょうのNY為替市場でドル円は108円台を回復。序盤は本日のECB理事会を受けてユーロが急速に下落し、ユーロ円に連れ安する格好でドル円も107円台半ばまで下落していた。しかし、ユーロが急速に買い戻された中、ドル円も買い戻しの動きが見られ108円台に戻している。 本日も市場では米中貿易問題への楽観的ムードが広がっている。トランプ大統領が中国からの輸入品2500億ドル相当に対する追加関税率を現行の25%から30%に引き上げる計画について、「予定していた10月1日から15日に変更することに同意した」とツイートしていた。 また、ホワイトハウスは否定していたが、一部報道で「大統領補佐官らが、知的財産や農産物購入に関する中国の約束を取り付ける代わりに、関税発動を延期または撤回を検討している」と報じられている。 市場では来月に予定されている米中貿易協議で何らかの進展が見られるのではとの期待に繋がっている模様。 ドル円は底堅い動きを続けており、108.15円付近に来ている100日線付近まで上昇している。 一方、ユーロドルは下に往って来いの展開。きょうはECB理事会が開催されたが、ECBは中銀預金のマイナス金利を0.1%深堀し、金利階層化も発表。加えて月間200億ユーロの債券購入の11月開始を決め、更にガイダンスも修正し緩和姿勢を強調していた。 政策発表後にユーロは急速に売りが強まり、ユーロドルは1.0930ドル付近まで急落した。ストップを大量に巻き込んだ模様。しかし、売りが一巡すると今度は急速に買い戻しが見られ、1.1080ドル付近まで一時上昇している。フランス、ドイツ、オランダ中銀総裁はQE再開に反対したようだ。 ECBは緩和姿勢を強調していたものの、やはり、利下げ幅と債券購入の規模は見劣りする内容と受け止められているのかもしれない。年内の利下げはないとの見方も出ているようだ。政策発表後の下げでロングポジションもある程度整理されており、上値が軽くなった可能性もありそうだ。21日線を突破する動きが見られているが、明日以降、その水準を維持できるか注目される。 ポンドドルは方向感がない。序盤はECB理事会を受けてユーロの売りが強まったことから、ポンドも連れ安となりポンドドルは1.22ドル台に下落する場面が見られた。しかし、その後にユーロが急速に買い戻されたことから、ポンドも買い戻されている。 本日は全体的にポンドは蚊帳の外といった雰囲気だ。先週からの英議会での一連の動きで合意なき離脱への懸念が大きく後退しており、ポンドドルも買い戻しが優勢となっている。1.24ドル台は上値が重くなっているものの、21日線の上をキープしておりリバウンド相場を持続している。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美
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