【来週の注目材料】年末年始に要注意、FOMC議事要旨にも注目

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【来週の注目材料】年末年始に要注意、FOMC議事要旨にも注目

 クリスマスが明けて、今週から世界の取引参加者が市場に戻ってきます。ただ、1月1日は世界的に休場。第1金曜日の発表が多い米雇用統計や、基本的に第1営業日発表の米ISM製造業景気指数も5日からの週に先送りされることもあり、今週はやや不安定な動きが見込まれます。

 注目材料は30日に公表される12月9日、10日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨です。12月のFOMCでは市場見通し通り政策金利であるFF金利誘導目標が0.25%引き上げられ、3.50-3.75%となりました。利下げは3会合連続です。

 声明ではインフレが依然としてやや高止まりしているとの認識が示されました。また、FF金利の追加調整の程度と時期を検討するにあたって、今後もたらされるデータ、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に評価すると示しました。こうした表現は10月28日、29日に開催されたFOMCでの声明と同じものとなります。投票は9対3となり、ミラン理事が0.5%利下げを主張、カンザスシティ連銀のシュミッド総裁とシカゴ連銀のグールズビー総裁が据え置きを主張しました。ミラン氏とシュミッド氏は10月のFOMCに引き続いての主張、グールズビー氏が新たに据え置き主張に加わっています。

 なお12月のFOMCで示された経済見通し(SEP:Summary of Economic Projection)では、今回の投票権を持っていなかったメンバーを含めた全19名のメンバーのうち、6名が12月の据え置きを見込んでいたこと、7名は2026年中の利下げを見込んでいないことが示されました。短期金利市場の動向などから見込まれる市場の見通しは2026年中2回の利下げが中央値となっていますので、ギャップがあることがわかります。

 こうした状況を受けて今回の議事要旨でメンバーが今後の金融政策をどのように見ているかが注目されます。投票結果やSEPの見通しなどから受ける印象の通り、タカ派な姿勢が目立つようだとドル買いが強まる可能性があります。

 その他は目立った材料はありませんが、12月31日及び1月2日の動きには注意が必要です。大みそかと三が日は日本市場が休場、日本の取引参加者もほとんどがお正月休みを取っていますが、海外勢は1日の祝日以外は普通に出てきます。こうした状況ではほとんどの場合、円がらみの通貨ペアは目立った動きを見せず、落ち着いた展開になることが多いです。しかし、かつて2019年1月3日にドル円はわずか5分ほどで1ドル=108円92銭から104円87銭まで約4円の急落を見せました。いわゆるフラッシュクラッシュです。

 フラッシュクラッシュは一般的に取引が閑散としているなかで、ニュースなどをきっかけに市場の流動性以上の取引注文が出ることで起きるとされています。大みそかや3が日はいつも以上にフラッシュクラッシュが起きる可能性が高まりますので、年をまたいでのポジションの維持には要注意です。

MINKABUPRESS 山岡

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