きょうのNY為替市場でドル円は107円ちょうど付近での値動きとなっている。東京時間には106.80円付近まで値を落としていたが、ロンドン時間にかけて買い戻しが優勢となり107円台まで戻している。全体的には狭い範囲での値動きではあるものの底堅さは出ている。先週の米雇用統計を受けて戻り売りが出たものの下押すこともなく水準は維持していた。 米中貿易協議が来月に再開されることが決まり、市場のムードは改善している。株式市場も底堅く推移し、米国債利回りも上昇する中、ドル円も買い戻しが続いている状況。中国が金融緩和を打ち出すなど刺激策に動いていることもサポートしているようだ。 ドル円は一時107.15円付近まで上昇する場面が見られたものの、きょうは米株式市場で利益確定売りの動きも出ており上値は重い。107円台前半の売りを吸収できるようであれば、100日線が控える108円台前半の水準も一旦視野に入りそうな雰囲気ではある。目先は107.25円と107.50円付近が上値レジスタンスとして意識される。 ユーロドルは買い戻しが続き、1.1065ドル近辺まで一時上昇。先週は1.1085ドル近辺まで上昇し21日線に顔合せしたものの、その水準を回復することなく一旦失速していた。しかし、1.10ドル台はしっかりと維持しており、リバウンド相場の流れを続けている。 市場は12日のECB理事会に注目している。利下げが確実視されているものの利下げ幅では見方が分かれている。また、階層化でも見解が分かれているようだ。中銀預金のマイナス金利を0.2%深堀し、階層化を実施するというのが若干多いシナリオのようだ。更に注目は債券購入再開だが、理事の間では意見が分かれているようで、未知数な部分が大きい。市場は大規模追加緩和で織り込んでおり、ECBの発表は失望感を強め、ユーロは買いの反応を示すとのシナリオに備えた動きが出ているのかもしれない。 目先は21日線が1.1080ドル付近に来ており上値メドとして意識される。 ポンドドルはきょうもショートカバーが強まり、1.23ドル台後半まで上昇する場面も見られた。NY時間に入ってパーコウ英下院議長が辞任を表明し、戻り売りに押される場面が見られたものの直ぐに戻している。対ユーロや円でも上昇しており、ポンド円は132円台半ばまで一時上昇。先週の英議会の動きで合意なき離脱への警戒感が大きく後退していることが引き続きサポート。 きょうはロンドン時間に7月の英月次GDPが発表になっていたが、前月比0.3%上昇していた。今回のデータを受けてひとまず目先の英景気後退入りは回避されそうだとの見方も出ている。ただ、年末にかけて英成長が高まる要素も見あたらず、EU離脱の行方次第ではマイナス成長に陥らないとも言い切れない情勢ではある。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美
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