きょうのNY為替市場、ドル円は上げが一服し106円台に下落している。朝方発表された8月の米雇用統計で非農業部門雇用者数(NFP)が予想を下回ったことから、米国債利回りと伴に売りが優勢となった。利益確定売りも出て一時106.60円近辺まで値を落とした。 今週は来月の米中協議再開が伝えられるなどポジティブな雰囲気が復活しており、ドル円は107円台を回復していた。しかし、107円台での戻り売りも根強い中、米雇用統計をきっかけに短期筋の利益確定売りが出たものと思われる。 8月の米雇用統計はNFPが13万人増と予想(16万人増)を下回った。完全雇用に接近する中、NFPの伸びは次第に緩くなってきている印象もある。ただ、失業率は過去最低水準を維持しており、FRBの力強い雇用との判断に変化はないであろう。一方、平均時給は前年比3.2%と予想を上回り、3%超の伸びが続いている。 今月のFOMCでは利下げが期待されているものの、今回の米雇用統計からは少なくとも、0.5%の大幅利下げ期待は正当化されないものと思われる。 パウエルFRB議長のスイスのチューリッヒでの講演が伝わり、為替市場はややドル買いの反応を見せている。議長は「米経済は非常に良好で、FRBは景気後退を予想してない」と述べた。一方で「FOMCは適切に行動する」とも述べていた。 市場は今月のFOMCで利下げを予想しているものの、0.5%の大幅利下げまではないとの見方がコンセンサスになっている。議長の講演はその予想を裏付ける発言内容とも取れる。 ユーロドルは1.10ドル台で方向感のない展開が見られている。前日は1.10ドル台後半に来ている21日線に顔合せしたが跳ね返されており、その21日線が目先の上値目標として意識される。 来週のECB理事会を巡って見方が錯綜。利下げでは一致しているものの、債券購入再開については、ドイツやフランス、オランダなど中核国からの慎重な発言もあり不透明な情勢だ。利下げ幅についても0.1%か0.2%かで見方が分かれているようだが、0.2%という声が若干多いようだ。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美
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