トランプ大統領の発言に翻弄 ハセット委員長の可能性が後退=NY為替概況 きょうのNY為替市場、トランプ大統領の2つの発言に翻弄された。1つは、ハセット米国家経済会議(NEC)委員長には「現職に留まってほしい」との言及と、もう1つは、「グリーンランドに関して複数国に関税を課す可能性ある」との言及。 ハセット委員長が議長候補から完全に外れたことを正式に示すものではないものの、同氏が議長に就任した場合のリスクは後退した格好。特に、堅調な景気と根強いインフレが続く中でも、ハセット委員長の著しくハト派的な発言はドルにとって重しと受け止められてきた。なお、市場ではウォーシュ元FRB理事が最有力候補に浮上しているようだ。為替市場はドル高の反応が見られた。 片山財務相の口先介入が相次いでいるが、市場は敏感に反応するものの一時的な動きに留まっている。日本の当局は円安を食い止めるのに苦労するのではとの指摘も出ている。積極財政への期待が薄れる可能性は低く、高市首相が総選挙を経て権力基盤を強化すれば、さらなる財政刺激策を推進する可能性が高い。有権者も求めている。また、日銀の追加利上げへの期待も後退するという。けん制発言に持続性はなく、しばらくは緩やかに円安は進むと見ているようだ。 ユーロドルは売りに押され、1.15ドル台に一時下落。NY時間に入るまでは静かな値動きをしていたが、トランプ大統領の発言に翻弄。特に、グリーンランドに関して複数国に関税を課す可能性との言及にユーロは圧迫されていた。 200日線が1.1585ドル近辺に来ており、一時顔合わせしていたが、きょうのところはサポートされていた。一方、ユーロ円は183円台前半まで下落し、21日線を下回る展開。来週以降の動きが注目される。 キャリー取引の調達通貨としてユーロが選好される可能性がアナリストから指摘されている。ユーロは対ドルでレンジ相場となっており、オプション市場での1カ月物のボラティリティー(予想される価格変動)は5%近辺での低水準が続いている。これにより、投資家はユーロで調達し、高利回りの新興国通貨に投資するキャリー取引を行うことが促される可能性があるという。金利の低い円での調達よりもリスクが低いと見なされる可能性にも言及。円の1カ月物のボラティリティーは8.5%で、日本当局が介入を行う可能性がある点を指摘していた。 ポンドドルは1.33ドル台に再び下落。ロンドン時間には1.34ドル台まで買い戻されていたが、200日線と100日線に間での推移となっている。一方、ポンド円は3日続落し211円台に下落。211.50円付近に来ている200日線に顔合わせしており、こちらは円相場次第だが、来週の動きが注目される。 アナリストからは、ここに来て、11月の英予算案以降の財政懸念が後退しており、今年のポンドは強含む公算が大きいとの指摘が出ている。昨年は市場が財政リスクに敏感になる中、ポンドにとってそれはアキレス腱だった。しかし、英国債市場で、投資家が長期債保有するに対して要求する追加的な補償であるタームプレミアムが低下しており、それはポンドを下支えするという。 また、スターマー政権が進めるEUとの関係改善が実現すれば、英経済に対する構造的な逆風の一部が取り除かれ、さらにポンドを支援する可能性があるとも述べている。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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