【これからの見通し】中東有事は長引きそうな情勢、悪い円安への対応にも留意 中東有事は長引きそうな情勢になっている。トランプ米大統領は、対イラン戦争で米国・イスラエルの圧倒的な優勢を強調している。しかし、その言動は不規則なもので、実際に早期終結に至るビジョンは明示されていない。ホルムズ海峡ではイランによる機雷の設置が報じられており、まだ船舶の航行には危険な状況になっている。米国はタンカーなどに護衛船をつけるとの発言もあったが、イランからの攻撃のリスクがあるとして米軍は現状で拒否しているという。 世界経済は原油高騰の長期化を警戒している。G7では石油備蓄の大量放出が合意された。しかし、これで足りるのか、といった疑問が残る。インフレ圧力を受けてドル高・円安・債券安(利回り上昇)、株安などの圧力が広がっている。 ドル円相場は本日の東京市場で直近高値を159.24付近に伸ばしている。159円台前半と言えば、政府・日銀による為替レートチェック観測が広がった水準だ。今回の円安・ドル高は有事のコストプッシュによる「悪い円安」であり、緊急対応が求められる状況と考えられる。為替レートチェックや実弾介入のリスクが高まるとともに、日銀の利上げに関するハードルも下がってきているようだ。 為替市場では、有事のドル買いが基本線となっている。しかし、有事情勢の変化次第で、神経質に振れやすい「ボラタイル」な局面にある。この後の海外市場では、ユーロドルなどの主要通貨におけるドル高進行の度合いを確認しつつ、ドル円相場にとっては介入警戒水準にあることも留意しなければならないだろう。 この後の海外市場で発表される経済指標は、米新規失業保険申請件数(03/01 - 03/07)が注目される。市場予想は21.5万件と前回の21.3万件から小幅に増加する見込み。米債利回りの反応を見ながらの取引となろう。その他には、同時刻(日本時間午後9時30分)に米住宅着工件数・住宅建築許可件数(1月)米貿易収支(1月)も発表される。カナダでは、国際商品貿易(1月)、住宅建設許可(1月)、卸売売上高(1月)が同時刻に発表される。 欧州時間には、スウェーデン消費者物価指数・確報値(2月)、トルコ経常収支(1月)、トルコ中銀政策金利(3月)、南ア経常収支(第4四半期)、南ア製造業生産高(1月)、インド消費者物価指数(2月)、イスラエル貿易収支(2月)などが発表される予定。 発言イベント関連では、ベイリー英中銀総裁、ボウマンFRB副議長、ビルロワドガロー仏中銀総裁などの発言機会が予定されている。ただ、仏中銀総裁は、来週のECB理事会を控えて具体的な金融政策に関する発言は自粛されそうだ。米30年債入札(220億ドル)が実施される。ドル相場の地合いを判断する上で、その入札結果が注目されよう。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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