ここにきてハト派発言の目立つドラギ総裁。 10月末で8年間の任期満了を迎える総裁は、 後任の総裁に決まったラガルドIMF専務理事にバトンを渡す前に 追加緩和に踏み切る可能性が指摘されています。 ドラギ総裁は6月18日に行われたECB年次フォーラムの冒頭演説で 見通しが改善せず、インフレ圧力が強まらない場合は 追加の景気刺激策が必要になるだろうと 追加緩和の可能性をはっきりと言及しました。 フォワードガイダンスの修正が可能であり、 利下げに加え、資産購入(量的緩和)も選択肢と発言しています。 9月から貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTRO)が始まるというタイミングだけに 直近の緩和は見送りという状況が一般的ですが 新総裁が就任してすぐに重要な選択を迫るという状況を避けるためにも その手前での緩和実施の可能性は十分にありそうです。 そうした中、24日、25日にECB理事会が開かれます。 今回の理事会では基本的に据え置き見通しが一般的。 フォワードガイダンスを重要な政策の一つとして掲げて居る中 据え置きを示すガイダンスの下で、いきなりの利下げはハードルがかなり高いとみられます。 もっとも、ガイダンスの変更を通じて その次、9月の理事会での緩和実施に向けた地ならしが行われる可能性は十分にあります。 もともと、今月の理事会はECBメンバーによる見通し (米国と同様に年8回の金融政策理事会のうち、半分の4回で発表)が発表される回にあたっておらず 9月の理事会のほうが重要な政策変更にふさわしいという事情もあります。 どこまでの示唆があるのかにもよりますが ガイダンスの変更は大きなユーロ売り材料として意識されそうです。 minkabu PRESS編集部 山岡和雅
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