きょうのNY為替市場でドル円は売りが優勢となり、108円を割り込んだ。今週のパウエルFRB議長の議会証言を受けたドル売りも一服しつつあったものの、再びその動きが出ている。前日は107円台まで値を落とした後、108円台半ばまで戻す展開が見られていたが、108円台半ばからの上値抵抗が強く、短期筋の見切り売りも出ていた模様。 今週のパウエルFRB議長の議会証言を経て市場は今月末のFOMCでの利下げを確実視している。一方、前日の米消費者物価指数(CPI)、そして本日の生産者物価(PPI)も予想を上回った。一部の米地区連銀総裁からは現段階での利下げを疑問視する声も出ているものの、市場が利下げ期待を後退させる動きは見られていない。21日線が108.05円付近に来ているが、その水準を割り込んでおり、来週以降の動きが警戒される。 ユーロドルはNY時間入って買い戻しが見られた。朝方発表の米生産者物価(PPI)が予想を上回ったこともあり、1.1240ドル近辺まで値を落とす場面が見られていたが、FRBの利下げ期待が強まる中で、次第にドル売りが優勢となり、ユーロドルもロンドン時間の高値まで戻す展開。21日線が1.1280ドルに来ており、目先の上値抵抗として意識される。 FRBの利下げ期待の一方でECBも追加緩和期待が高まっており、ユーロは上値を追いづらいようだ。今月の理事会で追加緩和の可能性を強く示唆してくるものと見られている。ECBが再度追加緩和に踏み切った場合、利下げや国債、社債といった債券購入が想定される。ただし、既にECBはマイナス金利を採用しており、利下げ幅には限界がある。一方、国債購入に関しても、各国のECBへの出資比率(キャピタルキー)に応じた購入や、各国債の発行量の33%に設定している購入上限といった制約があり、それらの規制を変更する必要もありそうだ。また、変更したとしても直ぐに限界点に到達することも予想される。 そのような中で一部からは、ECBも日銀のように株式購入がいずれ検討課題に入る可能性も指摘されている。もっともコンセンサスを得られない可能性も高そうだが。 ポンドドルも買い戻しが強まった。前日は1.2570ドル付近で上値を抑えられたが、再びその水準を試す動きが出ている。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美
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